特徴

<設定値を視覚で確認>
 サムロータリスイッチは選択した数値が表示される構造なので、常に視覚的に設定値を確認でき、誤操作を防ぎやすくなります。

<設定値を常に維持>
 メカ機構だけでコード変換を行っているので、停電などで電源供給が停止しても設定値はリセットされません。つまり、変更操作をしない限り設定した値を維持し続けます。

<容易にデジタル変換>
 デジタル制御に必須とされる数値のコード変換を簡単に行えるため、出力側の回路構成や配線がシンプルになり、制御系の信頼性や保全性が向上します。

種類

 サムロータリスイッチは、第5回で紹介した押ボタンスイッチ同様、搭載される機器や設備の規模に合わせて外形サイズを選定する傾向があります。従って、外形サイズを中心に製品ラインアップが展開されています。具体的には、幅5.08×高さ16mmと同6×18mmのタイプ(プリント基板実装用の端子付き)が主に業務機器・民生機器向け、同8×24mmと同10×33mmのタイプ(はんだ付け用の端子付き)が主に産業機械装置や生産設備向けです(図2)。

 外形サイズ以外の分類としては、前出のロータリ操作式とプッシュ操作式があります。さらに、取り付け方法についてもパネルに表面から取り付けるワンタッチ取り付けタイプと裏面から取り付けるねじ締め取り付けタイプがあり、用途によって使い分けます。設定値を容易に変えられないようにするために押ボタンを機械的にロックできるタイプや先が細いものでしか操作できない製品も用意されています。

図2●サムロータリスイッチの種類