汎用のリミットスイッチを使用した場合の動作と問題点

 なぜ、汎用リミットスイッチは安全防護に使えないのでしょうか。その理由を、NC接点およびノーマルオープン(NO)タイプの接点(NO接点)を用いた場合に分けて説明します。

<NC接点(直接開路動作型ではない)を用いた場合>
 構成は、図6のセーフティ・リミットスイッチがNC接点の汎用リミットスイッチに置き換わったと考えてください。この場合、扉が開いても接点が溶着していれば接点が開く保証はありません。ばねなど弾力性を持った部品がアクチュエータやボタンの操作力を伝達する経路の中にあれば、そこで動作が吸収されてしまいます。

<NO接点を使用した場合>
 NO接点の汎用リミットスイッチを使用した場合を図7に示しました。扉が閉じるとアクチュエータが押されてNO接点が閉(ON)となり、扉が開くとアクチュエータが戻ってNO接点が開(OFF)となるので、同じように使えそうに思えます。しかし、NO接点が溶着したり、アクチュエータが針金などで縛られたりすると、扉が開いていても接点が閉じた(ON)状態となり、危険な状態になってしまいます。よって、汎用リミットスイッチは安全防護には使えないのです。

図7●扉の開閉と汎用リミットスイッチの動作

安全スイッチなど使用上の比較のまとめ

 に安全スイッチ、セーフティ・リミットスイッチおよび汎用リミットスイッチを安全防護目的で使用する場合の比較を示します。基本的な考え方は以下のようになります。
■安全スイッチを優先的に使用する
■扉の取り外しを防止すればセーフティ・リミットスイッチを使用できる
■汎用リミットスイッチは使用してはならない

表●安全スイッチなど安全防護上の仕様比較