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HOMEエレクトロニクスアナログワイヤレスのトラブル事例から実践技術を知る > 第5回:UWB/モジュールの出力が不足,アンテナが交差偏波に 

ワイヤレスのトラブル事例から実践技術を知る

第5回:UWB/モジュールの出力が不足,アンテナが交差偏波に 

  • 谷田 邦雄=TDK,Denver Humphrey=TDK Electronics Ireland Ltd.
  • 2012/09/03 00:00
  • 1/3ページ

[よく発生する問題]

 UWB(ultra wideband)は,無線でUSBに接続するワイヤレスUSBや映像信号を送るワイヤレスHDMI(high-definition multimedia interface)として利用される予定で,パソコンや周辺機器をはじめ高画質フラットパネル・ディスプレイなどのデジタル家電に搭載すべく,開発が急ピッチで進められています。しかし,機器メーカーから「UWBモジュールの出力が不足している」「試作プリント基板に実装したアンテナと評価サンプルのアンテナとで特性が大きく違っている」といったアンテナに関係する問い合わせが寄せられることが少なくありません。

 UWBは,その名の通り周波数帯域幅が500MHz以上と広く,従来のようにアンテナを単純な共振器として設計しては,良い特性が出ません。ここではUWBのアンテナについて解説します。

[原因と対策]

 アンテナが思ったような特性にならないときは,主に次の三つの原因が考えられます。①アンテナの入力インピーダンスが給電回路の特性インピーダンスとマッチングしていない,②送受信アンテナ同士の主偏波面が一致していない,③金属筐体による反射です。それぞれについて詳しく説明しましょう。

 ①はアンテナ周囲の環境そのものの問題です。アンテナやプリント基板をカバーする金属やプラスチックなどのケース,プリント基板の厚さ,アンテナ周辺の各種部品やスペースなど,アンテナをプリント基板のどこに設置し,その周辺にどのような部材が配置されるかによって,電波の放射状態が変化し入力インピーダンスが変わります。アンテナによっては周囲の接地からも電波を放射させるよう設計しているものもあります。

図5-1 UWBアンテナのVSWRの測定例
VSWRが3以下であれば実用上問題なくアンテナを利用できます。図は,WiMedia Alliance方式のUWBで利用する3.1G~4.9GHzで,仕様を満足しているアンテナの例。UWBアンテナをCardBus,SDメモリーカード,USBドングルのサイズの基板に実装して測定しました。
[画像のクリックで拡大表示]

 UWBの広い帯域を,余裕をもってカバーできるアンテナはほとんどないので,対策はプリント基板やアンテナを含む部材配置の最適化か,インピーダンス・マッチング回路の追加に分かれます。

 プリント基板や部材配置をあらかじめ考慮した設計が,トータルの開発時間短縮やコスト抑制の上で好ましいことは言うまでもありません。きちんとしたコンセプトで開発されたアンテナは周辺環境による影響を想定しており,通常はアプリケーション・ノートなどが発行されていますので,それを参考にしながら設計を進めましょう。図5-1では周辺環境の影響(ここでは実装基板の寸法とそれに伴う接地面積の違い)が特に小さいアンテナにおける,VSWR(voltage standing wave ratio)の変化の様子を示しています注5-1)。このように変化が小さければ,実装時におけるアンテナ特性変化についてあまり神経質にならずにUWB無線機への応用ができます。しかし,周辺環境の影響を回避しにくいアンテナを使ったときは,専門家でも対処が難しいほどVSWRなどの特性が変動しますので注意してください。

注5-1) VSWR(電圧定在波比)が小さいと反射が少なく、無駄なく電力を給電回路からアンテナへ送っていることになります。

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