工場などで使用される機械設備には、オペレーターの安全を確保するために、機械設備を緊急に停止させるための「非常停止システム」が組み込まれています(図1)。そのシステムの入力部として設置されているのが非常停止スイッチです。オペレーターが危険を感じたり機械設備に異常が発生したりした場合、手動で操作するスイッチです(図2)。

図1●非常停止システムの例
図2●非常停止スイッチの役割

 非常停止スイッチは危険な状態において使用されることが多く、スイッチが正常に機能しなければ事故や災害に直結する可能性があります。そのため、通常の停止スイッチよりも高い操作性と確実性が求められる他、構造や使い方について国際的に定められた安全規格(IEC、ISO規格)の要求を満たす必要があります。