安全関連部と非安全関連部

 安全機器を扱う機械安全分野では、制御システム全体のうち、「安全に関わる電気制御システム」を「安全関連部」と、それ以外の部分を「非安全関連部」と呼ぶことで、互いに区別しています。本連載における安全機器は「安全関連部」で使用される機器を指しており、インターロックはその主な機能です。インターロックとは、機械の危険な部分の扉(カバー)が閉じていなかったり、そこに人が近づいたりした場合に、その危険な機械の動作を中止する機能を指します。

 機械の制御システム全体と、「安全関連部」および「非安全関連部」の関係は、一般に図6のように表現されます。

図6●機械の制御システムにおける安全関連部と非安全関連部
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 非安全関連部は、機械設備がその「性能」を存分に発揮するための制御システム部分といえます。具体的には、モータ回転数の制御や可動範囲の精密位置決め制御など、機械の「売り」となる機能を制御する部分です。

 一方、安全関連部は作業員に対する安全を確保するための安全制御システム部分であり、安全が確認されている場合のみ、入力部分から論理部分に安全状態を示す信号が(電気)エネルギを使って送られます。安全信号が論理部分で認識されている間だけ、非安全関連部からの始動命令を受けて機械を起動(start-up)させます。逆に、安全状態が確認できない場合や安全関連部自身が故障した場合、機械は起動しません。