⑮取扱説明書の作成

 ユーザーに分かりやすい説明書を作成するため,取扱説明書の作成は専門部署や専門協力会社に任せる。また,海外で製品を販売する場合は,その国の言葉で取扱説明書を作成しなければならない。設計者は取扱説明書を作成するための情報提供も,「⑪量産体制に備えて検査ラインに使用する測定器/製品テスタ/治具などの選択や設計を行う」の段階ぐらいから始めることになる。

 最近ワイヤレス製品が高度化したことによって,取扱説明書の厚さが増している。一方,比較的簡単にユーザーが取り扱えるようなワイヤレス製品では,A3判程度の紙1枚に両面印刷した取扱説明書もある。前者の場合は,頻繁に使う機能のサマリーを1~数ページにまとめた付録のような小冊子の取扱説明書を付けると,ユーザーの受けが良いようである。

⑯量産開始

 いよいよ量産を開始する。設計者は,この段階でも不具合が出ないか常にハラハラしながら見守り,もしも不具合が発生したときには迅速に対応しなければならない。そうならないように,「⑫プリプロダクション・モデルを作製し総合的な最終評価を行う」の段階の総合評価を十分に行い,すべてのことを確認しておくべきである。