⑪ 量産体制に備えて検査ラインに 使用する測定器/製品テスタ/ 治具などの選択や設計を行う

 プロトタイプ(1次製品試作)の段階になると,量産体制に備え,検査ラインに使用する測定器や製品テスタ,治具などの選択や設計も並行して始める。品質保証の規定や電波法を満足しているかどうかの測定,認定を受けるための検査などに必要なデータの項目を整理し,測定するための設備の準備も進める。

 ここでも,生産コストを下げながらも高品質を確保できるような体制を検討しなければならない。量産ラインで大量に使用する調整用の測定器や治具は,精度は高くなくとも安価なもので構築できる。製造ラインの途中で定量的な測定を行わなければならない個所や製造ライン最後の性能測定では,精度の高い較正された測定器や治具を用意する。一方,単に最大出力が得られるように調整するときは,測定器には測定精度の高い高価なものは不要である。

⑫ プリプロダクション・モデル (2次製品試作)を作製し総合的な 最終評価を行う

図16 最終構成部品による組み立て確認作業
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 「⑩プロトタイプを作製し性能を評価する」で最終的な問題点を洗い出し,最終製品に近いプリプロダクション・モデル(2次製品試作)を作製する。

 この段階でよく見つかる問題として,プリント基板や部品と筐体やネジなどがぶつかるといった構造的な設計ミスなどがある。製品に実際に使う部品を集めて組み立てを行い,組み立てにくくないか,構造的な不具合がないかを確認する(図16)。また,測定器を使って,製品仕様や電波法,業界規格などに合致しているかどうか,動作確認を担当者全員で行う。