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HOMEエレクトロニクスアナログ製品企画から量産開始まで全16工程の手順と勘所 > 第1回:設計を16工程に分割

  • 根日屋 英之=アンプレット
  • 2012/04/30 00:00
  • 1/2ページ

 ワイヤレス通信技術は,近年,著しい進歩を遂げ,多様化している。ワイヤレス製品の企画立案から電子回路設計,アンテナ設計,プリント基板でのプロトタイプの製作まで行っている筆者の小さな設計会社でも,扱う製品と技術が幅広くなってきた。機器メーカーや通信会社の開発支援をする場合,モジュールを使う枯れた設計技術から,適応変調や多元接続などの新しい方式を考慮した技術までさまざまである。

 しかし,設計の手順や注意すべき点は,それほど変わらない。また,最近では機器メーカーの若手育成も含めた技術コンサルティング業務が増えているが,若手に教える基本はどの企業でもだいたい同じである。 以下に,ワイヤレス製品を製品化するときの設計の流れを述べる。立案から量産まで,主にハードウエア設計について解説する。なるべく実践的なイメージをつかめるように,要所に実際に利用した図や写真を掲載する注1)

注1)ただし,一部は何年も前に当社で設計し,既に機器メーカーでも製造を終了したものである。さらに設計途中段階の写真にはボカシをかけてあるが,ご理解いただきたい。

 工程は16段階に分かれる

 近年のワイヤレス製品は,表1のようにシングルキャリヤ/マルチキャリヤ/超広帯域通信/無線移動識別(RFID:radio frequency identification)の4種類のワイヤレス製品に分類されると筆者は考えている。ただし,これらの無線通信機は,どの分類のワイヤレス製品であっても,図1に示すようにアンテナ,高周波回路,ベースバンド回路(ファームウエアなども含む)の三つに分けられる。細かい設計思想は異なっていても,大まかな設計の流れは前述のように同じと考えてよい。

表1 ワイヤレス製品の分類
CDMA:code division multiple access IR:impulse radio OFDM:orthogonal frequency division multiplexing RFID:radio frequency identification UWB:ultra wideband
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図1 ワイヤレス製品の全体構成
規格が固まっているワイヤレス通信機器は,専用ICの組み合わせで設計できるようになってきた。
[画像のクリックで拡大表示]

 これからの移動通信では,適応変調(通信回線の状況に応じて方式や通信速度を変更する変調)も用いられるので,変復調回路はハードウエアではなく,プロセサとソフトウエアを使ったデジタル信号処理を利用して設計することになる。また,送信側の大電力増幅器(HPA:high power amplifier)の高効率化についても,低消費電力ワイヤレス製品の実現のために各社で研究/開発されている注2)

注2)高効率化のために,増幅前の信号にあらかじめ歪みを入れておいて,後から歪みの成分を取り除くプリディストーション技術などが研究されている。プリディストーション技術には,アナログ型とデジタル型がある。

 そして,最近はアンテナが注目を集めている。広帯域化や通信速度向上に伴い,新しいアンテナが必要になっているからである。表2に示すように,単体のアンテナとマルチアンテナの二つに大きく分かれる。

表2 アンテナの分類
MIMO:multiple input multiple output SDMA:space division multiple access UWB:ultra wideband
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