製品の企画から部品選択,設計,試作,機器の認定や量産まで,全工程を16段階に分け,ワイヤレス機器設計の流れを解説する。各工程のポイントや陥りやすい問題点を明確にして,開発の全体像と必須の基本的な技術を押さえる。さらに,品質向上やコスト低減のポイントを示す。優れた技術者がどう設計しているかも解説する。
連載
製品企画から量産開始まで全16工程の手順と勘所
ワイヤレス製品設計のA to Z
目次
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第9回:できるワイヤレス技術者はここが違う
最後に,筆者も含め,ワイヤレスを扱う技術者に今,求められていることを示す。下記の点が優れた技術者は,周囲から一目置かれているし,生き生きと仕事をしている。
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第8回:(13)認定取得~(16)量産
? 必要な認定(技術基準適合証明など)を受ける
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第7回:(9)機構・筐体・基板設計~(12)2次製品試作
? 性能達成の見込みが付いたら, 製造現場のルールに準じた機構/ 筐体/基板設計を行う
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第6回:(5)各ブロックのシミュレーション~(8)総合評価
? 各ブロックのシミュレーションや バラック基板で性能を評価する
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第5回:(4)各ブロックの設計(下)
(6)キー・パーツになったアンテナの設計
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第4回:(4)各ブロックの設計(上)
? 各ブロックを設計し 使用部品を選択する
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第3回:(3)機能ブロックのレベル配分など
システム設計者は,レベル配分や機器劣化配分を行い,機能ブロック図の各ブロックにおける出力電力や特性を設定する。ここでは,図3と図4に挙げたワイヤレス製品の送信部と受信部の機能ブロック図を基に説明する。
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第2回:(1)製品企画~(2)製品の機能ブロック図の作成
ワイヤレス機能付きの製品を作るときは,まず製品を企画する。主に,
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第1回:設計を16工程に分割
ワイヤレス通信技術は,近年,著しい進歩を遂げ,多様化している。ワイヤレス製品の企画立案から電子回路設計,アンテナ設計,プリント基板でのプロトタイプの製作まで行っている筆者の小さな設計会社でも,扱う製品と技術が幅広くなってきた。機器メーカーや通信会社の開発支援をする場合,モジュールを使う枯れた設計技術…