構造

 マイクロスイッチの構造を図3に示しました。主な構成要素は、(1)アクチュエータ部、(2)スナップアクション機構部、(3)接点部、(4)端子部、(5)ケース部、の5つです。それぞれについて順番に説明していきます。

図3●マイクロスイッチの構造
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(1)アクチュエータ部
 操作体など外部から受ける力や動きを内部機構に伝えます。操作体の形状や動きに応じて、さまざまな形状のアクチュエータを使い分けます。代表的なアクチュエータの形状として、ピン押ボタン形、ヒンジレバー形、ヒンジローラレバー形などがあります(図4)。ピン押ボタン形は、直線の短いストロークで動作するものを高精度で位置検出する場合に向いています。ヒンジレバー形はストロークを大きく取れるので、自由度が高く、幅広い用途に使えます。ヒンジローラレバー形は、高速で動くカムなどの検出に適しています。

図4●アクチュエータの主な形状

(2)スナップアクション機構部
 スナップアクション機構部は、可動ばね、可動片、共通端子、受金といった部品で構成されています。押ボタンに力を加えていくと可動片にかかる可動ばねの力が増加し、特定の位置に来ると可動片が下方に瞬時に動き、常閉端子側にあった可動接点が常開接点側に移動します。

 この動きを理解するためには、下敷きを思い浮かべていただくとよいかもしれません。下敷きを反らせておいて、山になっている部分を押していくと、ある地点に達したところで山が反対側に移動します。スナップアクション機構部の動作は、そうした下敷きの振る舞いによく似ています。

(3)接点部
 マイクロスイッチの心臓部で、接点を介して回路のオン/オフ操作を行います。オン/オフする回路の電圧と電流に応じて接点の材料や形状を使い分けます。材料は金や銀、またはそれらの合金やそれらをめっきしたものが主流です。形状は、クロスバー接点、リベット接点などがあります(図5)。

図5●接点の主な形状