「PlayStation 3」の冷却機構は,2009年に発売された新型機種で大幅に見直された。消費電力の減少によって熱設計の前提条件が変わった上に,筐体の薄型化を実現する必要があったからだ。しかし,熱設計の基本思想は初期型から変わっていないという。新型PS3で冷却機構がどのように進化したのかを解説してもらう。
連載
熱設計のキホン
目次
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新型PS3の薄型化で冷却機構を再設計(第5回)
熱設計の観点でもいろいろな進化を遂げた新型PS3を,数値で比較してみましょう。初期型PS3と,ついでに初期型PS2も一緒に見ていきます。
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新型PS3の薄型化で冷却機構を再設計(第4回)
ファンによって発生する正圧エリアと負圧エリアの境界を仕切る方法も変更しました。
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新型PS3の薄型化で冷却機構を再設計(第3回)
冷却シーケンスを変えたことで,結果的に電源ユニットの冷却効率が大幅に向上し,部品の許容温度に対するマージンがかなり大きくなりました。また,電源ユニットのケースに樹脂部品を使えるようになりました。
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新型PS3の薄型化で冷却機構を再設計(第2回)
熱設計について新型PS3で変更した部分を,重要なものを中心にいくつか紹介します。
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新型PS3の薄型化で冷却機構を再設計(第1回)
ソニー・コンピュータエンタテインメントは2009年9月に,新型「PlayStation 3」(PS3,型番は「CECH-2000A」)を発売しました。この新型PS3は,消費電力が初期型の約2/3に減っています。これに伴い,冷却機構を含むすべての設計を見直し,デザインも新しい薄型のものに変更しました。…