アナログ エレクトロニクスを支える基盤技術
 

第2回:SI問題を協調評価で解決する方法、計測器とシミュレータを有効活用

辻井修、依田達夫、大津谷亜士、池原司益=アジレント・テクノロジー
2011/05/09 00:00
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 シグナル・インテグリティ(SI:signal integrity)とは,プリント基板上の配線を伝搬するデジタル信号の波形品質のことである。この波形品質を高めないとデジタル・インタフェース仕様を満足できなかったり,誤動作してしまったり,高レベルの電磁雑音(EMI)を放射してしまったりといったトラブルを招く。従って,デジタル民生機器の開発現場では,シグナル・インテグリティをいかに確保するかということに日々,頭を悩ませているのが実情だ。

 シグナル・インテグリティを確保する作業では,計測器とシミュレータという二つのツールを利用することが多い。シミュレータによる解析で設計データの完成度をチェックし,試作品や完成品の特性を計測器で評価するといった使い方が一般的だろう。しかし,こうした使い方だけでは,計測器とシミュレータを有効に利用しているとは言い難い。なぜならば,両者を協調させて使っていないからだ。

 そこで今回は,計測器とシミュレータを協調させて利用することで今まで以上の効果を得られる複数の事例を紹介しよう(図1)。これらの事例は,大きく二つに分類できる。一つは,協調評価を導入することで,従来は困難だった測定や評価が可能になる事例。もう一つは,シミュレーションの結果と実測の結果が一致しないという課題を協調評価の導入で解決できた事例である。

図1 計測器と回路シミュレータの協調評価
デジタル・オシロスコープとネットワーク・アナライザなどの計測器と,回路シミュレータを協調させて利用することで,従来は困難だった評価が可能になる。
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オシロとシミュレータの協調で課題を解決

 まずは,協調評価の導入によって,従来は困難だった測定や評価が可能になった三つの事例を紹介する。 

 最初の事例では,デジタル・オシロスコープと回路シミュレータ(伝送線路シミュレータ)を協調させて利用した。この事例では,当社のデジタル・オシロスコープとそこに搭載されている回路シミュレータの「InfiniiSim」を使う(図2)。しかし,競合他社のデジタル・オシロスコープや市販の回路シミュレータを組み合わせても同様の使い方ができるので試してもらいたい。

図2 デジタル・オシロに搭載した伝送線路シミュレータ
当社(アジレント・テクノロジー)のデジタル・オシロスコープに搭載している回路シミュレータ「InfiniiSim」は,治具やケーブルの損失を追加したり,差し引いたりする用途に向けた開発されたものだ。USB 3.0やPCI Expressでは,データ伝送速度がそれぞれ5Gビット/秒と高くなり,測定結果に与える治具やケーブルの影響が大きくなったからだ。
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