エレクトロニクス分野において,測定は極めて重要な技術である。要求仕様を満足していると測定で確認してから出荷した製品が,顧客側での測定結果では要求を満たしていないと判断され,大きなトラブルに発展したケースは決して少なくない。トラブルを未然に防ぐには,測定の信頼性を正しく把握する必要がある。本連載では,その信頼性を定量的に表現する「不確かさ」について,基礎から応用までを解説する。

豊田 豊 (とよだ・ゆたか)
アジレント・テクノロジー 電子計測サービス部門 部門長
1974年に横河・ヒューレット・パッカード(現アジレント・テクノロジー)に入社。以後,計測器の技術サポートや営業,システム・エンジニア,アプリケーション・システム開発などの立場から,ユーザーの現場における計測器の技術サポートを提供。2004年10月から 現職。
青木 俊明 (あおき・としあき)
アジレント・テクノロジー 電子計測サービス部門 エンジニアリング,計測技術管理
1984年に横河・ヒューレット・パッカード(現アジレント・テクノロジー)に入社。電子回路設計やEMC担当,校正システム開発などの仕事に携わる。1999年から現職。JCSS(校正事業者登録制度)技術委員会 電気分科会委員も務める。