アナログ エレクトロニクスを支える基盤技術
 

第3回:マトコン特有の構成部品と周辺機能,スイッチ素子と転流,保護回路を詳説

伊東 淳一=長岡技術科学大学
2010/11/08 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2009年2月9日号 、pp.100-109 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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前編より続く

交流電力を,周波数や振幅が異なる交流電力に変換する。既存のインバータとマトリックス・コンバータの機能はほぼ同じだが,回路構成は大きく異なる。それ故に,マトリックス・コンバータには特有の構成部品と周辺機能が必要だ。今回は,スイッチと転流,保護に焦点を当て,その詳細を解説する。 (山下 勝己)

 前回は,マトリックス・コンバータを駆動する制御パルス信号の作成方法について説明した。作成方法は,既存のインバータに比べて複雑だが,それと同様に DSPやマイコンで制御できる注1)。つまり,既存のインバータの設計で培った経験や知見をマトリックス・コンバータの設計に生かせる。

注1) 学術的には,直流電力を交流電力に変換する主回路のみをインバータと呼ぶ。しかし,産業界では,交流入力用に必要なダイオード整流器やPWM整流器と主回路を組み合わせた装置をインバータと呼ぶことが多い。本稿では後者の定 義を採用する。

 しかし,マトリックス・コンバータは,交流電力を直接チョッピングして,周波数や振幅が異なる交流電力に変換するという原理を採用しているため,既存のインバータとは構成部品や周辺機能に大きな違いが存在する。具体的には,スイッチング用半導体素子と転流機構,保護回路という三つの違いだ。今回は,この三つについて詳しく説明していこう。

半導体素子

逆阻止特性が不可欠に

 まずは,マトリックス・コンバータの回路構成をおさらいする。図1(a)に,9個のスイッチから成るマトリックス・コンバータの回路構成を示す。スイッチを格子状に配置し,直流電力を介することなく,交流電力を周波数や振幅が異なる交流電力に変換する回路である。図1(b)に示した回路構成は,インダイレクト・マトリックス・コンバータである。3相入力単相出力回路(整流器)と単相入力3相出力回路(主回路)を,直流部を介して接続した回路構成を採る。

図1 マトリックス・コンバータの回路構成
最も一般的な回路構成が(a)である。格子状に配置した9個のスイッチング素子を使って,入力電流と出力電圧を制御する。(b)は,(a)を変形させた構成である。インダイレクト・マトリックス・コンバータと呼ぶ。3相入力単相出力回路と単相入力3相出力回路を組み合わせたもので,二つの回路の接続部は直流である。

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