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今さら聞けないA-D変換の要点

第7回:高分解能品を使いこなす周辺回路設計のコツ

  • 中村 黄三
  • 2010/07/19 00:00
  • 1/8ページ
前編より続く

12ビットA-D変換器に向けて設計した周辺回路を,16ビット以上の品種にそのまま使ってトラブルが発生する場合は多い。分解能が高い品種を使いこなすには,周辺回路の設計にコツがある。そこで今回は,特に重要なオペアンプの選び方や,バッファ用コンデンサの必要性などを解説する。(清水 直茂=日経エレクトロニクス)

 「A-D変換器の分解能を12ビットから16ビットに変更してみたところ,思いもよらなかった問題に直面した」という話をよく聞く。これらの問題の多くは,周辺回路の設計に原因がある。中でも,12ビット向けに設計した周辺回路を,そのまま16ビット向けに適用することで発生している場合が多い。A-D 変換器の分解能を高めれば,周辺回路にもそれに応じた設計が必要になる。

 そこで今回は,16ビット以上のA-D変換器を使うための周辺回路を設計するポイントとして,入力部のマルチプレクサ(MUX)のメモリ効果やバッファ・アンプの非直線性,基準電源の選び方などを説明する(図1)。

図1 A-D変換器の主な周辺回路
A-D変換器の性能をフル活用するには,周辺回路の安定性や精度が非常に重要となる。安定性や精度を確保するためには,各段の誤差要因を一つずつ排除していかねばならない。
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MUX
バッファ・アンプが必須

 まずはアナログ入力部で失敗することの多い,複数の入力信号を一つの出力信号にするMUXのメモリ効果について説明する。メモリ効果とは,RCフィルタを構成するコンデンサに電荷が蓄電されることで,入力信号のDCレベルを押し上げてしまう現象のことである(図2)。

図2 メモリ効果への対策はオペアンプによるバッファリング
MUXの入力部にRCフィルタを付けると,メモリ効果による誤差が発生する(a)。復帰するまでには長い時間を要するため,高速な変換ができなくなる。対策としては,RCフィルタとMUXの間にオペアンプを設置してバッファリングするとよい(b)。これにより,CDの電荷をオペアンプが吸収し,メモリ効果による悪影響を防ぐことができる。
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