アナログ エレクトロニクスを支える基盤技術
 

第2回:ΔΣ型と逐次比較型の使い分け(前編),応答とフィルタ次数,分解能に着目

中村 黄三
2010/06/14 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2008年9月8日号 、pp.141-150 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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前編より続く

低・中速のA-D変換器を使う際,ΔΣ型と逐次比較型のうち,どちらを選択するのかに悩む技術者は多い。本連載ではA-D変換器の仕組みを体系的に取り上げるが,今回は2種類から選択するための指標として応答性や前置フィルタの次数,分解能に焦点を当て,比較のポイントを紹介する。(清水 直茂=日経エレクトロニクス)

 中・低速のA-D変換器は,これまで主流だった逐次比較型A-D変換器から,分解能が高く安価な上に,変換速度の面でも遜色がなくなったΔΣ(デルタ・シグマ)型A-D変換器に置き換わりつつある。従来,ΔΣ型の主な用途はオーディオ向けで,産業機器向けにA-D変換器を扱う設計者にとってΔΣ型はなじみが薄かった。

 そこで,連載1回目となる前回は,ΔΣ型の動作原理を解説した。今回と次回では,2回に分けてΔΣ型の動作原理を深掘りしつつ,ΔΣ型と逐次比較型を目的に応じて選択するためのポイントを紹介する。

 一般的には,A-D変換器を選択する場合,アナログ入力部,A-D変換部,デジタル出力部という三つの要素について,設計の目的と照らし合わせつつ各種性能を比較し,総合点の高い方式のA-D変換器を選択することとなる(図1)。

図1 逐次比較型とΔΣ型は三つの要素で性能を比較する
逐次比較型とΔΣ型のA-D変換器から選択する場合,アナログ入力部,A-D変換部,デジタル出力部という三つの要素において性能や仕様を比較する。
[画像のクリックで拡大表示]

 今回は,アナログ入力部およびA-D変換部の一部について,次回は残りのA-D変換部とデジタル出力部について,比較のポイントを解説する。

<アナログ入力部>
応答性やフィルタの次数に着目

 アナログ入力部では,入出力の応答性と,A-D変換を実行する前段階に設置する雑音などを除去するフィルタの次数に着目する。応答性の指標としては,パルス状の入力信号に対する出力であるステップ応答を見る。

 ステップ応答では一般的に,逐次比較型の方がΔΣ型よりも優れる。逐次変換型の場合,1回の変換でデータが確定するため,オーバーラップ・モードと呼ぶ手法が使えるからである。

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