中・低速分野のA-D変換は,ΔΣ型が今後の主流になる これまで逐次比較型A-D変換器を使っていた機器が最近,性能向上が著しいΔΣ型に置き換わりつつある。ところが,機器設計者からは「動作原理が分からないのでΔΣ型の採用をためらっている」という声がある。本連載では,そんな設計者に向けてA-D変換器の仕組みを体系的に紹介する。
日本テキサス・インスツルメンツ
アプリケーション技術部
エンジニアリング・エキスパート
(所属・肩書きは記事執筆当時)
中・低速分野のA-D変換は,ΔΣ型が今後の主流になる これまで逐次比較型A-D変換器を使っていた機器が最近,性能向上が著しいΔΣ型に置き換わりつつある。ところが,機器設計者からは「動作原理が分からないのでΔΣ型の採用をためらっている」という声がある。本連載では,そんな設計者に向けてA-D変換器の仕組みを体系的に紹介する。
A-D変換回路は,必ずアナログとデジタルを含む回路となる。設計で重要なのは接地配線である。基本的にアナログ接地とデジタル接地を分離すればよいのだが,実装に際しては工夫が必要となる。最終回では,複数チャネルのA-D変換回路を前提として具体的な接地配線の手法を紹介する。
12ビットA-D変換器に向けて設計した周辺回路を,16ビット以上の品種にそのまま使ってトラブルが発生する場合は多い。分解能が高い品種を使いこなすには,周辺回路の設計にコツがある。そこで今回は,特に重要なオペアンプの選び方や,バッファ用コンデンサの必要性などを解説する。
前回までは,AC用途のA-D変換器のデータシートの読み方を紹介した。今回は,歪みゲージや圧力センサなどに適用することの多い,DC用途でのデータシートの読み方を解説する。DC用途ではデータ変換速度よりも雑音特性などを理解することが重要となる。
データシートが読みこなせなければ,A-D変換器は扱えない。絶対入力電圧と絶対最大定格の違いや,内部コンデンサの容量の意味するところを理解することなく使い,トラブルに結び付くケースは意外と多いという。そこで前回に引き続き,デートシートの読み方を基本から解説する。
数多くのA-D変換器の中から所望の品種を選択するには,ジッタやSFDRなどといった用語の理解が欠かせない。ところが実際の設計の現場では,用語の理解不足に起因するトラブルが数多く発生している。そこで,今回から3回にわたって,データシートに使う主な用語の意味を解説する。
前回に引き続き,ΔΣ型と逐次比較型のA-D変換器の各種性能を比較する。今回は,多くの技術者がもやもやしているΔΣ型のデータ変換の開始/終了の考え方や消費電流の大きさ,拡張性の高さなどに着目する。そして,従来は逐次比較型を使ってきた分野にもΔΣ型が採用され始めた例を紹介する。
低・中速のA-D変換器を使う際,ΔΣ型と逐次比較型のうち,どちらを選択するのかに悩む技術者は多い。本連載ではA-D変換器の仕組みを体系的に取り上げるが,今回は2種類から選択するための指標として応答性や前置フィルタの次数,分解能に焦点を当て,比較のポイントを紹介する。
これまで逐次比較型A-D変換器を使っていた機器が最近,性能向上が著しいΔΣ型に置き換わりつつある。ところが,機器設計者からは「動作原理が分からないのでΔΣ型の採用をためらっている」という声がある。本連載では,そんな設計者に向けてA-D変換器の仕組みを体系的に紹介する。