中・低速分野のA-D変換は,ΔΣ型が今後の主流になる これまで逐次比較型A-D変換器を使っていた機器が最近,性能向上が著しいΔΣ型に置き換わりつつある。ところが,機器設計者からは「動作原理が分からないのでΔΣ型の採用をためらっている」という声がある。本連載では,そんな設計者に向けてA-D変換器の仕組みを体系的に紹介する。

中村 黄三
日本テキサス・インスツルメンツ
アプリケーション技術部
エンジニアリング・エキスパート
(所属・肩書きは記事執筆当時)
1965年,東海電波高等学校(現・東海大学付属高輪台高等学校)電子科を卒業後に,東海大学 第二工学部へ入学。1969年,同学部を中退後,医療用計測器メーカーにて心電計や血圧計などの設計に従事。1986年に日本バーEブラウンへ入社,工業用リニアICのアプリケーション・エンジニアリング 課長。2001年,日本テキサス・インスツルメンツとの合併により同職種で編入。2004年に部長に就任し,2007年に定年退職。その後,同社とプロフェッショナル契約を結び,講演などを担当している。