医療機器の世界市場は「約20兆円」(複数の医療機器メーカー)とみられている。これは,国内における電子産業(電子機器および電子部品・デバイス)の生産金額や,自動車(トラック・バスを含む四輪車)の生産金額とほぼ同じである。グラフの数値は,いずれも2004年のもの。電子産業のデータは電子情報技術産業協会(JEITA),自動車のデータは日本自動車工業会のデータを参照した。このうち日本市場は,世界市場の10%となる約2兆円である。
アナログ強化塾
目次
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最終回:0.4V動作の昇圧型コンバータ,単セル太陽電池を有効活用可能に
携帯電話機への搭載が始まった太陽電池モジュール。しかし,この用途では,人体や建物などでできる「部分日陰」によって発電量が大幅に減る,もしくはゼロになるという課題を抱えている。理由は,単セルの太陽電池が出力する+0.4Vの電圧では電子機器を直接駆動できないため,複数のセルを直列接続して使っている点にあ…
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第8回:連続時間方式のΔΣ型A-D変換器,今,注目される理由(後編)
高性能かつ低消費電力を実現できると,設計開発者から注目を浴びている「連続時間方式のΔΣ型A-D変換器」に関する連載の後編。前回は,離散時間方式のΔΣ型A-D変換器と比較しながら,連続時間方式の有用性などを示した。今回は代表的な内部構成や変換速度,シャッフリングの手法,実用上の課題点などについて,実際…
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第7回:連続時間方式のΔΣ型A-D変換器,今,注目される理由(前編)
高性能と低消費電力を両立する─。A-D変換器の設計開発者が,常に追い求めることだ。こうした理想を目指す技術者の間で,ここ最近話題になっているアーキテクチャが,連続時間方式のΔΣ型A-D変換器である。パイプライン型A-D変換器と,逐次比較型A-D変換器の長所を併せ持つような構成である。実際に開発を手掛…
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第6回:高速が特徴のヒステリシス制御,電源制御方式の主役に躍り出る
これまで,電圧モード制御や電流モード制御といった線形制御方式に比べてマイナーな存在だったヒステリシス制御などの非線形制御方式。今,この非線形制御方式が注目を集めている。簡単な回路構成で,高い負荷応答特性が得られるからだ。既に,一部のデジタル家電や家庭用ゲーム機,パソコン周辺装置などでの採用が始まって…
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第5回:完全デジタルPLL回路「ADPLL」を学ぶ
無線通信回路の周波数シンセサイザや,マイクロプロセサの高速クロック生成回路において,必須の回路がPLLである。通常はアナログ回路で実現する。このPLLを,すべてデジタル回路で構成するという設計コンセプトが「ADPLL」だ。実際にADPLLを利用した回路の研究開発を進めている群馬大学の小林氏らが,AD…
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第4回:小型と低電圧を両立,ECM制御のスイッチング・レギュレータ
スイッチング・レギュレータの回路を工夫することによってスイッチング周波数を高め,小型化と出力の低電圧化を両立できるエミュレーテッド電流モード(ECM)制御をNational Semiconductor社が開発,既に製品化している。電流モード制御のそれまでの問題点を挙げながら,多様化する要求にどう応え…
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第3回:アナログ技術の新潮流,時間分解能型回路とTDC(後編)
前回は,製造プロセスの微細化が進み,電源電圧が低くなったアナログIC向けの回路技術として,時間分解能型アナログ回路が注目されていることを紹介し,その基本的な回路「TDC(time to digital converter)」と動作原理を解説した。今回は,デジタル制御電源用A-D変換器やセンサ回路など…
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第2回:アナログ技術の新潮流,時間分解能型回路とTDC(前編)
アナログ信号を電圧軸ではなく時間軸で処理する─そんな「時間分解能」型アナログ回路を設計する時代が到来しつつある。この回路は既に実用化されており,研究発表も活発だ。IC/LSIの微細化と低電圧化が進み,電圧振幅を利用した計測/演算/制御が困難になってきたことが背景にある。アナログ回路の新しい潮流につい…
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第1回:30年ぶりに基本設計を一新したリニア・レギュレータ
機器開発者にとっておなじみで,定番の電源ICであるリニア・レギュレータ(3 端子レギュレータ)。その基本設計を大きく変えた「LT3080」を,Linear Technology社が2007年に出荷した。1V以下の低電圧出力,並列接続による大電流化という利点がなぜ得られるのか,どのようにしてその回路を…