アナログ エレクトロニクスを支える基盤技術
 

民生用スイッチング電源(1) フライバックから半波電流共振まで,各種使う

小池 憲吾=サンケン電気 技術本部 PCD 事業部
2009/04/01 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2008年6月30日号 、pp.160-162 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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液晶テレビやPDPテレビといったフラットパネル・ディスプレイ(FPD)を使うテレビに向けた,スイッチング電源の技術や方式の基礎を連載で紹介する。第1回の今回は,スイッチング電源の各種方式について,過去から現在までのトレンドを中心に解説する。(日経エレクトロニクスによる要約)

 京都議定書に代表される地球温暖化防止の国際的な枠組みが広く浸透するようになり,省エネルギーと高効率化がますます注目されている。家庭のコンセントからおのおのの家電製品内部へ直流出力を供給するスイッチング電源はエネルギー変換の主役であり,変換効率に対する機器メーカーの注目度は高まっている。

 本連載で取り上げる液晶テレビやPDPテレビといったフラットパネル・ディスプレイ(FPD)テレビ向けスイッチング電源システムは,薄型かつ大画面というFPDテレビの商品性から,大容量で高効率,さらには非常に薄く小型であることが要求されている。将来的には,FPDテレビ用スイッチング電源の高さは現行の25~30mm程度から10mm以下になるであろう。これらの諸要求に対してスイッチング電源を開発するためのポイントは,スイッチング制御からデバイス開発までいくつかある(図1)。それぞれの項目において,高度なアナログ技術が要求されるのが特徴になっている。

図1 スイッチング電源の開発
従来方式の延長線でのコストダウンは,すぐに限界にぶつかる。高性能で低コストなスイッチング電源を開発するには,各種の高度アナログ技術の融合が必要である。
[画像のクリックで拡大表示]

 FPDテレビは家電の王様である。我々の所属する半導体メーカーやスイッチング電源メーカーにとって,FPDテレビ向け電源はまさに主戦場といえる。小型・薄型・高効率という求められる技術水準が高い上,さらに低コストでなければならず,電源メーカーにとっては力量が試されるからだ。

 FPDテレビ向けに開発したスイッチング電源は,使用条件などの関係上,パソコンやオーディオ機器といった他の機器には直接使えるわけではない。ただし,効率の高さや実装面積の小ささ,筐体の薄さなどを求める技術は,要素技術として他の機器に向けた電源に横展開できる。

 本連載では,FPDテレビ用スイッチング電源を中心に,技術トレンドや方式の基礎を解説する。連載の第1回~第4回(民生用スイッチング電源)では,各種スイッチング電源を分類し,続いて小~中電力向けで主流のフライバックPWM(pulse width modulation)方式とフライバック擬似共振方式を解説する。FPDテレビにおいて出力電力150W以上のスイッチング電源で主流となっている全波および半波電流共振方式については,ここで簡単に触れ,第5回以降で詳細に解説する予定である。

 本連載の終わり(第10回~第12回)では,今後ますます加速するFPDテレビの薄型化に合わせ,スイッチング電源の薄型化・小型化などの技術について解説する。スイッチング周波数を高周波化すれば,構成部品の薄型化・小型化はできる。ただし,高周波化するほど各種設計が難しくなってしまう。この問題を解決しようとすると,スイッチング電源は究極的には超薄型のモジュール形状に進化していくと考えており,この点についても解説する予定である。

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