著者略歴(五十音順。肩書は日経エレクトロニクス掲載当時のものです)
サンケン電気 技術本部 マーケット戦略統括部
サンケン電気 技術本部 PM事業部
サンケン電気 技術本部 PCD事業部
著者略歴(五十音順。肩書は日経エレクトロニクス掲載当時のものです)
続いて,DC-DCコンバータ・モジュールの小型化を考える。DC-DCコンバータ・モジュールは入出力電圧範囲が比較的狭いので,共振コンバータを用いたソフト・スイッチング化が可能だ。このため,PFCよりもはるかに高いスイッチング周波数を選ぶことができる。連載第2回と第3回で紹介した電流共振回路は,ソフト…
FPDテレビでは,連載第2回で説明したように,PFCにはアクティブ型を用いる。アクティブ型としては,昇圧型のPFCを使う。これを薄型化するには,高周波化によってチョーク・コイルを小型化する必要がある。スイッチング周波数を高周波化するに当たり,スイッチング損失をいかに低減するかが重要だ。それには,ソフ…
昨今,液晶テレビを中心に薄型化が加速しており,テレビに搭載する電源モジュールを薄くしたいという要求が強まってきた。連載最終回では,電源モジュールのさらなる薄型化への取り組みとして,高周波スイッチング技術と薄型トランス技術,試作した5.2mm厚の超薄型モジュールについて解説する。
多出力に向くという特徴のあるハーフブリッジ半波電流共振方式を使い,より良好なクロスレギュレーション特性を実現できる回路方式を,PDP用電源への応用例を参照しながら解説する。
ハーフブリッジ全波電流共振方式と同じく,動作の状態は大きく四つに分かれる。図3中の期間a~bは,ゲート信号Vg1を入力することによりQ1をオンにしている状態である。Q1がオンであるために直列共振回路には入力電圧が印加される。共振用リアクトルLrと1次インダクタンスLpに励磁電流が流れ,電流共振コンデ…
PDPテレビの主体は液晶テレビよりも大画面であるため,より大きな電力を供給できる電源が必要になる。さらに,PDP用電源は高い出力電圧が必要で,かつ2系統の放電回路に電力を供給しなければならない。今回は,PDP用電源への採用が進むハーフブリッジ半波電流共振方式を解説する。
スイッチング動作をするハーフブリッジ全波電流共振方式の特徴をまとめると,次の6項目になる。(1)共振動作によりスイッチング損失が小さい。(2)ハーフブリッジ構成であるので,スイッチング素子の電圧が入力電圧で制限される。そのため,フライバック方式のコンバータなどに比べて耐圧が低いMOSFETをスイッチ…
CRTテレビからFPDテレビへ移り変わる中で,電源に要求される仕様も大きく変わってきた。フライバック方式の電源では,大画面化による出力電力の増大,薄型化のための高効率化などに応えられない。連載2回目の今回は,これらの要求を満たせるハーフブリッジ全波電流共振方式を解説する。
FPDテレビのメイン電源として広く使用されているのが,ハーフブリッジ全波電流共振方式である。共振回路を複数持つハーフブリッジ構成のため部品点数は他方式に比べて多く,回路動作も複雑である。部品点数は2倍程度になるだろう。スイッチング素子は2個必要であり,ハイサイド側のスイッチング素子の駆動には耐圧が6…
トランスのP巻き線(1次側巻き線)のインダクタンスと擬似共振用コンデンサによる電圧共振を利用したスイッチング電源が,フライバック擬似共振方式である。ターン・オフ時やターン・オン時のスイッチング損失や雑音を減らせる特徴があり,電源効率は80~85%程度である。
スイッチング電源について,教科書を開けば各種方式が多数紹介されている。ただし,民生機器向けに限れば,フライバック自励RCC(ringing choke converter)方式,フライバックPWM方式,フライバック擬似共振方式,ハーフブリッジ全波電流共振方式,ハーフブリッジ半波電流共振方式,フォワー…
液晶テレビやPDPテレビといったフラットパネル・ディスプレイ(FPD)を使うテレビに向けた,スイッチング電源の技術や方式の基礎を連載で紹介する。第1回の今回は,スイッチング電源の各種方式について,過去から現在までのトレンドを中心に解説する。