固定設備では定格電流と力率が電源設計のほぼすべてといえるが,移動装備では自前で電気エネルギーを用意する必要がある。その場合,内燃機関や燃料電池でエネルギーを生成するか,蓄電デバイスにエネルギーを貯蔵するか,両者を組み合わせるか,のいずれかになる。移動装備向け電源は固定設備向け電源ほど安定しておらず,エネルギー密度やパワー密度が限られる。電源能力が最終製品の外形寸法や重さ,航続距離,稼働時間,動作温度範囲,寿命,安全性などを左右するといっても過言でなく,最終製品のグランド・デザインでは電源が最大の課題になる。ここが従来の固定設備中心のパワー・エレクトロニクス工学と大きく異なる点である。
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