――ナステント クラシックは2014年7月に発売され、約半年経ちました。市場の反響はどうですか。

阪根氏 大きく分けると2つの視点があります。1つは、医師がこの商品をどう考えるかということ。もう1つは医師を通じて患者がどう感じるかということです。

 まず、医師の反応に関しては、我々の想定以上の結果が出ています。現状、ナステント クラシックは取り扱い病院で処方後に購入してもらう形を採用しているのですが、発売当初は取り扱いがわずか3病院でした。しかし、その後に慶應義塾大学病院が取り扱いを決めた頃をきっかけに、順天堂大学医学部附属順天堂医院など業界内で権威のある病院が取り扱いを開始してくれました。

 すると全国から「ぜひ、うちの病院でも取り扱ってみたい」といった声が届くようになったのです。今では医療機器ディーラーにもカバーしてもらい、全国のクリニックや病院から概ね好評を得ています。

 そして患者の反応に関しては、続々とナステント クラシックを試してもらっており、非常に多くの方からの良い反応が聞こえてきます。特に、CPAPを付けなくてはいけないものの理由があって付けられないような方々から「CPAPでは叶えられなかった問題解決ができた」といった声が届いています。

――平田さんは医学博士とのことですが、その視点から見ても画期的な商品と感じますか。

ヘルスケア・エンジニアの平田裕美氏
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平田氏 はい。特に睡眠というのは、1996年に日本で保険診療になって、1998年に初めてCPAPが保険で使えるようになりました。その後2004年にマウスピースを診療で使えるようになり、そこから10年、何も進化がなかったんです。

 日本のライフスタイルがどんどん変わっていく中で睡眠方法もどんどん変わってきたのに、睡眠治療に関しては全く変化がなかった。そこにこの画期的なナステントが誕生したことで、医師の先生方はかなり驚かれて興味を持ったのだと思います。

 睡眠の分野はアメリカやオーストラリアが進んでいて、CPAPや検査機器のほとんどを海外から持ってきています。「日本は10年遅れている」と言われていた中で、日本の会社が画期的な製品を作ったというのは、医師の間でもかなりのインパクトがあったと思います。