――セブンドリーマーズラボラトリーズの技術の源泉は、航空宇宙分野の技術開発にあるのに対して、ナステント クラシックのような医療機器、そしてゴルフシャフトなど全く異なる分野の事業を展開しているのはなぜですか。

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阪根氏 もともと我が社のベースは「宇宙」にあります。特に樹脂や炭素繊維などの高性能な材料設計技術で宇宙開発に貢献してきた歴史があります。一方で、この技術と強い製品開発力を今後、人々の生活の中にもっと生かしていくためにイノベーションを起こしたいという思いがありました。

 イノベーションを起こすためには、分野を問わずにテーマを選定していくというのが我々の考え方です。よく「ニーズか、シーズか」という議論がありますが、私はニーズからしかあり得ないと考えています。人々の生活の中で「こんなものがあればいいのに」と思うニーズをまず見つけて、そこでマーケティングリサーチをして、もしそれが実現できたら、大きな売上になるということが見えた時点で、初めて開発をスタートさせます。

 一見無関係のバラバラな分野の事業を手掛けているのは、そのためです。ご指摘のように、オーダーメイドのゴルフシャフト事業も立ち上げています。一方で、何とか睡眠時無呼吸症候群(以下、無呼吸症候群)の分野でイノベーションを起こしたいと開発したのがナステント クラシックというわけです。