「ウエアラブル端末」といっても一見すると普通のメガネ。それにもかかわらず、装着者の疲れや眠気が分かる。そんなメガネ型端末「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」で話題を振りまくジェイアイエヌ(関連記事1、関連記事2)。同社代表取締役社長の田中仁氏と同社R&D室マネジャーの井上一鷹氏に開発の経緯を聞いた。視力矯正以外の機能をメガネに盛り込もうと企画して生まれたという(関連記事3、関連記事4)。
開発の経緯を聞きたい。
「ウエアラブル」が流行り言葉のように言われているから開発したのではない。2010年に戦略発表会を開催し、そこで1兆円構想をぶち上げたことがキッカケになっている。我々がメガネ市場に参入した12年前、メガネの国内市場規模は約6000億円だった。しかし、その後の価格競争で今では4000億円ほどに縮小した。我々は販売数で2位以下に大差をつけてトップにいるが、メガネの機能を視力矯正に置いている以上、人口の半分を捨てることになる。成長は期待できない。そこで提案したのが、紫外線やパソコン画面のブルーライトから眼を守る「機能性アイウエア」だ。視力矯正以外のメガネ市場を持ち込んだイノベーションと言える。「JINS MEME」は、そうした機能性ウエアの1つとして、このころから水面下で開発を進めてきた。
眼電位測定が重要な機能となっている。
眼を守る以外にもっと別の機能を提供できるのではないか。こう考えて東北大学 加齢医学研究所 所長の川島隆太氏とブレインストーミングし、その結果でてきたのが眼電位測定だ。当時、米Google社の「Google Glass」などの発表があったが、これはスマホを眼の近くに持ってくるという発想。それよりも眼を通して体の情報を得る方がずっと新しいコンセプトだと考えた。