ウエアラブル 身に着ける機器の今と未来を探る
 
インタビュー

“柔らかさ”を生かし取得困難なデータを得る、これぞ有機エレクトロニクスならではの用途(前編)

東京大学 大学院 工学系研究科 教授 染谷隆夫氏

大久保 聡=日経BP半導体リサーチ
2014/04/21 00:00
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東京大学 大学院 工学系研究科 教授 染谷隆夫氏(写真:加藤康)
東京大学 大学院 工学系研究科 教授 染谷隆夫氏(写真:加藤康)
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 有機エレクトロニクスの特徴の一つに、曲げても性能が低下しにくいことがある。その特徴を生かし、曲げられるディスプレイ(フレキシブル・ディスプレイ)の研究開発が進んでいる。だが、「曲がることは何がうれしいのか」と、フレキシブルであることに付加価値は見いだせないという声もある。有機エレクトロニクスの利点を十分に発揮できる用途の模索が続く。

 こうした中、有機エレクトロニクスならではの特徴を生かせる分野が浮上した。肌に密着させて生体情報を検知する用途である。その研究開発の第一人者が、東京大学 大学院 工学系研究科 教授の染谷隆夫氏である。同氏は厚さわずか2μmと薄く、肌に密着させることが可能なセンサーシートを開発し、医療関係者などとの共同研究を進める。染谷氏に、フレキシブル・センサーシートを研究開発する意義などを聞いた。(聞き手は、大久保 聡=日経BP半導体リサーチ)

――有機エレクトロニクスの適用先として、ウエアラブルな用途に着目している。

染谷氏 現在、ウエアラブル機器への注目度が高まり、ウエアラブル機器やそれを使ったサービスの開発が盛んになってきた。まさに、ウエアラブルというビッグウェーブが押し寄せている。

 ウエアラブルといえば、すぐに思いつくのがメガネや腕時計など、もともと身に着けていたものをIT化した機器である。米Google社や韓国Samsung Electronics社などが機器を盛んに披露している。しかし、重要なのは、こうしたすぐに思いつく用途の開発に飛びつくのではなく、その次に来るウエアラブルは何かを見いだすことだ。“beyond wearable device”の可能性の探求である。私が着目するのは、e(電子)スキン、超薄センサーといった人間の肌に密着あるいは一体化したようなセンサーや、このようなセンサーを使ったサービスだ。

 肌に密着させたセンサーで生体情報を取得する。こうした用途では、高い精度かつ長い期間にわたって計測せねばならない。有機エレクトロニクスは、薄くて軽量、かつフレキシブルで柔らかいといったことが特徴だ。肌に密着させて使うには最適と考えている。肌に密着させることで、生体情報を検知する感度は高まる。

 有機エレクトロニクスは生体親和性が高く、違和感がないので肌に密着し続けることも可能だ。長期間にわたる計測もできるようになり、人体に現れる生体情報のわずかな変化も高い精度で検知できるだろう。

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