──ゲノム情報プラットフォーム事業において、ソニーの強みはどのように生かされるでしょうか。

斎藤氏
(写真:加藤 康)


 人のゲノム情報は基本的に一生変化しません。そこで、ゲノム情報は一度調べたらデータベース化し、後から何度でも参照できるようにするのが望ましいといえます。


 そのデータベースは秘匿性が非常に高いものになりますから、データを安全に預かる仕組みが欠かせません。その点では、我々はデータを暗号化するなどして安全に取り扱う技術にかねて強みを持っており、それを大いに生かせるでしょう。


 また、データベースの構築に当たっては、ゲノムとさまざまな疾患がどのような関係にあるかをあらかじめ明らかにしておかなければなりません。ここでは大学や研究機関との連携を積極的に活用します。


 我々には、東京医科歯科大学など、医療分野で定評のある大学や研究機関と共同研究を進めてきた実績があります。このことは、我々がゲノム情報プラットフォーム事業を手掛ける上で、社会的な信頼を得るのに役立つと考えています。ソニーには、他社がなかなか手を出さない新領域に果敢に挑むという文化があり、その点からもゲノム情報プラットフォーム事業を手掛けるのにふさわしい会社ではないでしょうか。