Q.瀋陽市の渾南新区に進出するのはどんな業種が向いていますか?

 特に、健康にかかわる産業の進出に期待しています。介護事業など、高齢者向けの製品やサービス、そして施設などが一例です。中国は既に高齢化社会が到来しているので、日本で既に発達した介護産業が瀋陽に進出すれば大きな発展が望めます。ほかには医薬品や健康食品なども有望でしょう。

 もう1つ期待している領域は新たな素材を開発・生産する企業です。金属材料、建築材料などのほか炭素繊維なども有力です。中国は今、そうした新素材をほとんどすべて輸入に頼っていますが、もし国内で生産されたら需要が急増すると見込んでいます。

 日本企業には、瀋陽を産業転換の目的地にして欲しいと願っています。潜在的に中国は魅力的なマーケットなので、日本の企業が進出しなければ他の国の企業が必ず乗り込んでくるでしょう。そうなる前に、日本企業の優れた技術やノウハウを瀋陽に持ち込んで欲しいと私は考えています。瀋陽で製品化して他の地域に広げていけばいいのです。これまでは製造業が中心でしたが、今後は小売業やサービス業の分野でも進出企業が増えることを期待しています。

Q.消費市場として瀋陽を見た場合、どのような魅力がありますか?

 瀋陽の周囲にはいくつか都市がありますが、高級品を買いたいと考える消費者は瀋陽にまで買い物にやって来ます。やはり周辺の都市には高級品を売る店舗がほとんど充実していないので、ハイエンドの消費は瀋陽が中心となります。日本企業が生産する商品はもちろんハイエンドの商品が多いので、瀋陽で出店するメリットがあります。瀋陽には「万象城」というショッピングモールがありますので、一度ご自分の目で見てもらえば瀋陽の消費能力が実感してもらえると思います。

(取材は2012年9月4日に行われた)