高効率の農業園区を江蘇省の中核センターに

長江の港があるかどうかで開発区の性格も違ってくるのですね。残りの2つの開発区はどんな産業が発達しているのですか。

 港臨開発園区は2010年に設立された開発区で、新エネルギー車、新材料、電子情報、スマートグリッドといった産業が主力となっています。これからは半導体産業に力を入れていく計画です。この開発区の中にはさらに、EV産業園区、材料産業園区、スマートグリッド産業園区も建設しました。

 4つめの現代農業産業園区は他の3つと異なり、農業と漁業の発展を目的として2008年に設立された開発区です。高効率(1ムー当たりの売り上げが5000元以上になる農作物)の農業面積が3万ムーあります。

 この園区には、果物と野菜の基地、漢方薬の基地、花や盆栽の基地、銀杏の基地、魚と蟹の養殖の基地という4つの基地があります。

 高効率の農地には温室や農作物の検査センターも備えています。さらに今後は農産物の貿易センターを建設する計画で、そうなれば江蘇省の真ん中にある一番大きな農業園区となるはずです。

全国最大の火力発電所が潤沢な電力を供給

日本企業の誘致はどの開発区への進出を希望していますか。

 これは私の個人的な考えですが、日本は自動車産業が発達しているので、日本の自動車部品メーカーにハイテク産業園区に進出していただければと思います。この園区にはバンコウやドイツの自動車部品メーカーも進出しています。これらの企業はトラックや自動車に部品を供給しています。

 また革新港区には既に食品のサプライチェーンが完成しているので、日本の大手食品メーカーに参入していただければと思います。ここにはアジアで活躍している台湾の食品メーカーも進出しているので、同様にアジアで存在感のある日本の食品メーカーが参入すれば力を発揮できると思います。

 泰州は専門学校の学生が5万人も在籍しており、人材は豊富です。また、全国最大の火力発電所もあるため、電力に関する不安は全くありません。

 中国側は資金は潤沢にあります。足りないのは技術や品質管理などのノウハウです。これを日本企業をはじめとする外資企業に補ってもらえればと思います。