外資の積極導入で輸出入総額725億ドルを達成

無錫にはどのような外資が進出して、どのような事業を展開しているのですか。

タイトル

 無錫にはフォーチュン誌のトップ500企業のうち158社が進出しています。これまでに累積で進出した外資企業の数は実に1万2896社に上ります。外資の投資金額は360億ドルに上ります。こうした外資の貢献で昨年の輸出入総額は725億ドル(輸出が425億ドル、輸入が300億ドル)で、今年は750億ドルに達する見込みです。

 以前はアパレル産業が中心でしたが、現在は電子情報、機械設備、自動車部品、新エネルギー、新材料といった産業分野で発展しています。中でも日系企業が多く進出している電子情報産業では、カメラ、ノートパソコン、携帯用バッテリー、FPD、半導体の分野で強みがあります。

 無錫で一番大きな企業はSKハイニックスという韓国の半導体メーカーです。投資額は70億ドルで、12インチの集積回路を製造しています。

 日本のシャープもここでFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)を製造しており、売り上げは年間20億ドルに達します。ソニーはここでカメラとノートパソコンを製造しており、こちらも両製品を合わせて年間20億ドルの売り上げを計上しています。

 新ネルギー分野では太陽光発電と風力発電が主力となっています。太陽光発電では特にバッテリー部品産業が発展しています。風力発電はトータルの発電設備を製造している会社が進出しています。太陽光発電で有名なサンテックは年間300億ドルの売り上げを達成しています。この会社は米国に留学した学生が帰国して設立したベンチャー企業で、今では太陽光発電のトップブランドになっています。サンテックの今年の目標は500億ドルの売り上げです。

サービスインフラの建設にも外資を積極導入

外資企業は無錫のどこに魅力を感じて進出してくるのでしょうか。

 なぜ外資企業が多く無錫に進出したのかを我々なりに分析した結果、以下の4つが主な要因と考えました。1つ目は工業と商業といった産業の基盤があること、2つ目は上海に近いという好立地で、陸海空の便がいいこと、3つ目は人材が豊富だということ、4つ目は環境が優れているということです。

 1つ目と2つ目は先に説明しましたが、3つ目の人材について少し詳しくお話します。無錫には省レベルの専門学校が19校あり、専門学校の園区もあり、そこに10万人の学生が通っています。また無錫には科学研究所多く、船舶、コミュニケーション、ネットワーク分野を研究している人材も豊富です。海外にいる人材を誘致する「千人計画」などもあり、人材の積極的な誘致にも務めています。

 4つ目の環境優位性ですが、これはなによりも太湖の存在に象徴されます。以前は工場の汚水でアオコが発生するという問題がありましたが、現在は汚水処理を含めた徹底的な改善を行い、無錫側の太湖は綺麗な湖面を取り戻しました。

 こうした自然環境だけでなく、ゴルフ場や高級ホテル、病院など、日常の生活を過ごしていく上で、快適で安心な環境を実現しています。

 今後は外資を導入することで、単に工場建設だけではなく、こうした生活サービスを向上するインフラの構築をさらに進めていく考えです。