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 2012年7月に、産業オープンネットワークを推進する様々な団体、ベンダーが一堂に介するイベントが開催される。産業オープンネット展準備委員会は、7月9日にウインクあいち(名古屋)で、7月11日にきゅりあん(東京)で「産業オープンネット展2012」を開催する。同イベントは、各種の産業オープンネットワークのプロモーション、マーケットを拡大する目的で開催されるもの。産業オープンネットワークを推進する10団体が共催として名を連ね、また30社以上のベンダーが参加する。

* 共催するのはEtherCAT Technology Group、FDT グループ 日本支部、ODVA 日本支部、CC-Link協会、セーフティネットワークジャパン、日本AS-i協会、JEMA (一般社団法人 日本電機工業会) ネットワーク推進特別委員会、NPO法人 日本プロフィバス協会、HART協会、MECHATROLINK協会の10団体。

 同イベントは今回が初めての開催。競合ともいえる団体が一堂に介するイベントは、「システムコントロールフェア」など大規模なものはあるものの、産業オープンネットワークといった形で絞ってやるのは業界でも初の試み。同イベントの企画を中心となって進めた日本プロフィバス協会会長の元吉伸一氏に話を聞いた。

イベントを開催するきっかけは何だったのでしょうか。

 産業オープンネット展の前身は、「PROFIBUS」および「PROFINET」の推進団体である日本プロフィバス協会が主催するプライベート・イベントでした。昨年まで6年間、続けてきたですが、アンケートによって来場者の意見を聞いたところ、できれば他のネットワークと比較してみたい、という声が想像以上に多くありました。また、イベントにはPROFIBUSおよびPROFINET規格に準拠した機器を販売するベンダーにも多く参加いただきましたが、それらのベンダーは他の規格に準拠した機器も販売しています。そこで、他の規格の推進団体にも参加を呼びかけ、産業用オープンネットワークの総合イベントへと発展させることにしました。

 我々がイベントを開催するのは、自分達のネットワークを分かってもらいたいからですが、もっと広く捉えるとオープンなネットワーク自体をもっと知ってもらいたいという思いを持っています。こういった観点にたつと、より多くの規格の推進団体が一同に集まったほうがおもしろいことになると考えました。他の推進団体に声を掛けたところ、想像以上に多くの方に賛同していただき、今回の開催に至りました。

イベントの特徴を教えてください。

 共催の推進団体、およびベンダー各社は、それぞれの展示スペースでデモなどの展示を行ないます。そして、セミナールームでは25分の持ち時間でプレゼンを行ないます。さらにユニークなのは、エンジニアリングデモの時間を設けていることです。このエンジニアリングデモでは、会場内に設けた特設スペースで実際の接続のデモを行ないます。コントローラと各種機器の接続をその場でしようというものです。実際に通信をして、動かすところまでを行おうと思っています。

 こうすることで、実際のアプリケーション・エンジニアには自分の業務がイメージできると思います。各社の展示ももちろん参考になるのですが、構築までのプロセスを見てもらうことで、理解がより深まるはずです。このエンジニアリングデモには、現在までに四つの推進団体が参加の意を表明しています。

どのような点に注目して来場すると良いのでしょうか。

 オープンネットワークは、マルチベンダー環境を実現する手段であることは多くの方が認識していると思います。そのオープンネットワークは、現在Ethernetベースが主流となってきましたが、規格によっていろいろな方向性が出てきました。高速制御を目指すタイプ、IP技術を活用するタイプ、環境管理などの機能を付加するタイプなどです。来場者には、そのような違いを理解していただいたうえで、どのタイプが自分の工場に適するのかを判断してもらいたいです。

 また、単に制御という観点からではなく、管理ということも視野に入れて、デモを見ていただきたいです。工場では、今の制御をどうするか、ということももちろん重要ですが、明日の状態はどうなっているのか、1週間後はちゃんと動いているのかを、担保することも重要です。そのためには、日々のデータを管理することが必要で、ここにもマルチベンダーの機器の情報を取得できるオープンネットワークの意義があるわけです。

どれぐらいの来場者を想定していますか。

 日本プロフィバス協会が独自に開催した昨年イベントでは、大阪で約100人、東京で約200人の方に来場いただきました。この数値は、楽にクリアできると思っています。参加費は無料ですので、是非、会場まで足を運んでいただきたいと思っています。