建築はじめ多様な産業の誘致を奨励

日本企業の進出状況はどうですか。またどんな企業の進出を希望しますか。

 まだ東陽経済開発区に進出している日本企業は少ないですが、わが浙江省に対する日系企業の投資は、私の知る限り素晴らしいものがあり、高く評価しています。日系企業はこれまでアパレル、食品、化学工業、機械製造に投資を集中していましたが、ここ数年は電気通信やR&Dセンター、金融、物流などの現代サービスにも投資を進めていることは歓迎します。

 東陽経済開発区では、メカトロ、自動車部品製造、生物工学、新素材、新エネルギー、工芸品、建築産業などのプロジェクトの誘致を希望します。これ以外にも、ハイテク産業、アニメ産業、教育産業、レジャー産業の誘致を希望します。

 東陽経済開発区では様々な産業を歓迎しますが、進出にあたっては基準を設けており、進出企業は国家、省、市の産業発展基準に適合しなくてはなりません。その基準とはまずは環境対応、省エネ、安全基準に関するものです。そのほか、生産プロジェクトに特別な要求がないプロジェクトに対しては、平屋作りの工場は禁止しています。緑化率や生活施設比率、容積率などにも基準を設けています。また投資額が3000万元以下のプロジェクトは原則として単独で土地を提供しません。投資額が3000万元以下の場合は、基地内の標準工場を賃貸する形をとることになります。

優秀人材誘致のための優遇策も用意

東陽経済開発区は優秀な人材確保のため、どのような政策を持っていますか。

 大学の卒業生は毎年4000人、博士は毎年1000人を排出しており、浙江省の中でトップクラスの市です。また優秀な人材の誘致に取り組んでいて、東陽経済開発区だけではなく、東陽市政府が全面的に支援しています。

 ここ数年、我々は3つの特徴的な政策を用意しました。一つは高いレベルの人材に対する資金補助です。東陽経済開発区に誘致する人材は「内外高レベル人材誘致計画専用資金」を設け、各プロジェクトに50万~300万元の創業援助資金及び200平方メートル以上の職場、100平方メートル以上の住居を与えます。研究開発や最先端の生産を担う職務には「主席専門家」や「主席技師」といった役職を与え、企業に特許などに応じた報酬を配分し、よりよい人材を集める環境を整えます。

 二つ目は安心して暮らして働ける生活環境を作ることです。誘致した優秀人材には「グリーンカード」サービス制度を導入し、このカードを持っている人材は、戸籍地の自由選択、配偶者の仕事の手配、子供の教育配慮といった優遇が受けられます。200万元の人材専用資金を拠出して、生活手当、定住手当にあてています。また50~100ムー前後の住宅を貸し出し、住宅難の問題を解決します。 

 三つ目は優秀人材が東陽に溶け込めるような文化社会環境を作りあげます。共産党や市政府が優れた人材と交流できる場を定期的に設けます。休養制度や健康診断制度、医療グリーンカード制度を構築し、優秀人材、科学技術模範など、様々なテーマで授賞式を開き、優秀人材を表彰します。

第12次五カ年計画に合わせ電力設備を増強

電力対策は十分ですか。

 ここ数年、東陽経済開発区では電力網の建設が加速しており、1日26万キロワットの電力供給が可能です。昨夏のピーク時電力は20万キロワットなので十分な供給量と言えます。ただ、第12次五カ年計画でハイスピードな発展が予測されるので、それに伴い電力使用料も増加し、2015年には30万~32万キロワットに達する見込みです。

 そこで東陽経済開発区は前もって対策を練り、電源と電力網建設を統合的に計画し、地域電力ネットワークの整備、電力網の受電と電力供給力の向上を図る計画です。既存の110KVの白雲変電所や110KVの広福変電所、35KVの六石変電所をベースに、東陽市にある500KVの変電所の建設と組み合わせ、220KVの桐鶴変電所や110KVの世貿変電所、110KVの万国変電所などの給電施設の建設を計画しています。これらの取り組みによって、東陽経済開発区内の企業の電力需要を満たす計画です。