上海近郊の中でも最大規模を誇るのが2004年に建設が始まった新しい開発区である上海臨港産業区だ(Tech-On!の関連記事)。ここは自動車部品や船舶部品などの重装備産業を中心に発展を遂げ、ナノテクや新素材の新興産業にも力を入れている。また産業区だけではなく、住環境の整備にも力を入れており、上海の臨海副都心としての臨海新城として開発を進めている。そこで上海臨港産業区総合企画処処長の葉金龍氏に、上海臨港産業区及び臨海新城の発展計画を聞いた。(聞き手は中田靖=アジアビジネス本部)

重装備、新興、現代サービスを3本柱に開発

 臨海新城、上海臨港産業区の特徴をお聞かせください。

葉金龍氏
葉金龍氏
上海臨港産業区総合企画処処長

 ここ臨海新城は上海の臨海副都心として2004年から建設を始めた新しい開発区です。重装備産業区、主産業区、物流園区といった産業エリアからなる上海臨港産業区と、住居施設やサービス産業が中心となる総合区、行政機関が集まった中心区(主城区)で構成されます。企画面積は300平方キロで、2020年までに80万人が住む都市を構築してく計画です。

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 主な産業は重装備産業ですが、それに加えて新興産業、現代サービス産業の計3つを柱に開発を進めています。重装備産業は自動車及び部品製造、大型船舶用部品製造、海洋工事設備製造などの装備産業で、新興産業は電子情報産業、新材料産業、新エネルギー産業、航空産業などです。

 中国商用飛機有限責任公司のエンジン部分の製造開発拠点もここに進出しており、2011年末に正式に開業しました。エンジンは飛行機のコアコンピタンスで、最先端の研究開発がここで行われているのです。ここで開発されたエンジンが中国の国産大型旅客機に搭載される計画です。

 近くには洋山深水港があり、ここでは最大のコンテナ港として活躍しています。このコンテナ港は大型設備産業にとって優位な条件と言えるでしょう。昨年の工業生産高は450億元に達し、ここ2、3年の工業生産は年率40%増で推移しています。

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