日本人が住みやすい日系工業団地を建設

進出する日本企業に対してはどのような優遇策があるのですか。

 現在、開発区に進出している日系企業は65社ですが、トヨタや三菱重工、日立グループなど、多くの日本企業が大規模な投資を行っています。特にトヨタの投資規模は大きく、7億米ドルを常熟東南経済開発区に投資しています。こうした企業の進出に支障をきたさないように、電気、水、天然ガス、道路、通信といったインフラを完璧に整備しています。また従業員の方々が気持ちよく仕事をしていただけるように、人工の緑化を進めており、木と草だけでも1.7億元を投じて整備を進めています。

 こうしたハードだけではなく、ソフト面でも様々な形で日系企業の利便性を図りたいと考えています。会社設立の手続きや政府の関係各部署への交渉など、すべて開発区が窓口になって対応します。進出を希望する企業は、煩わしい手続きのことは一切気にせずに、会社の運営にだけ専念していただける体制をとっています。さらに常熟東南経済開発区では日本企業に向けた特別な優遇策も用意しています。様々な業種に対応するため、ケースバイケースで、1社ごとに個別に交渉して対応しておりますので、是非、お問い合わせください。

徐海東氏

 せっかく江蘇省から日系工業団地というブランドもいただいたので、そこに進出する企業の社員の方のために、快適な生活環境も用意したいと考えています。まずはビジネス街の中心部である昆承湖のそばに、日系企業のための工業団地を本格的に作りたいと思います。日本人のために日本の大型スーパーマーケットを建設する計画で、現在2社と交渉を進めています。日本人の口に合う飲食店もたくさん作っていきたいと思います。細かい話ですが、日本のラーメン屋さんも誘致したいと思うんです。そうしたディティールにこだわることで、日本人がストレスを感じない、そんな街づくりをしていきたいと考えています。

名実ともにグレーター蘇州の中心地に

グレーター蘇州の中心に位置する常熟ですが、その地理的な特徴と今後の発展計画を教えてください。

 常熟東南経済開発区は、江蘇省常熟市旧市街区の東南側に位置する総面積は104平方キロメートルの開発区です。上海までは80キロで、車で約1時間で移動できます。グレーター蘇州の昆山へは18キロ、蘇州へは20キロ、張家港へは30キロ、無錫へは39キロです。

 以前は高速道路の整備が遅れていたために、グレーター蘇州の中心にありながら、蘇州や無錫に比べてアクセスが不利でした。しかし、高速道路が整備された今では、常熟と蘇州、杭州を結ぶ蘇嘉杭高速と上海と南京を結ぶ沿江高速を使って、蘇州、昆山、張家港、無錫までは約30分、上海、常州までは約1時間、南京、杭州までは約2時間で移動できるようになりました。

 高速鉄道の駅は開発区からは20キロほど離れているのですが、その区間に2016年までにライトレール(モノレール)を建設する予定です。ライトレールが完成するまでの間は、バスをいっぱい購入して、30分間隔でシャトルバスを運行させます。

 うちの開発区は人間に例えるならまだ8歳の若い開発区です。他の多くの開発区がその2倍の16歳を過ぎているため、それに比べるとGDPでも絶対値は負けることもあります。でも成長率は8歳のほうが上なので、常熟東南経済開発区の今後の発展に期待してください。