中国本土の中心部に位置する湖南省長沙市は、中国最大の建設機械メーカーで、福島原発事故のときは原子炉冷却の放水のために巨大なコンクリートポンプ車寄贈して話題となった三一集団のおひざ元だ。その長沙発展の原動力を担っているのが長沙経済技術開発区である。建設機械産業と自動車産業を二大中核産業とする長沙経済技術開発区は、12次五カ年計画を推進する2015年までに、工業総生産3500億元(約4兆2525億円)を目指すという。その発展のシナリオを開発区主任の李科明氏に聞いた。(聞き手は中田靖=アジアビジネス本部)

李科明氏
李科明氏
長沙経済技術開発区主任
 

4つの交通網の整備で産業発展促す

長沙経済技術開発区の地理的特徴を教えてください。

 「湖南が通じると中部が通じる、中部が生きると国土が生きる」という言い方があるように、湖南省は中国の中心部にあって、国土発展の重要な鍵を握っています。長沙経済技術開発区は湖南省の省都である長沙市の東北部に位置しています。高速道路、高速鉄道駅、港、空港といった4つの交通要所までそれぞれ15分で到達できます。

 高速道路は北京-珠海高速と成都-厦門高速が開発区内を交差しています。長沙には長沙駅(在来線)と武広線駅(武漢から広州までの高速鉄道)があり、長沙駅は湖南省最大の駅で、開発区の西8キロに位置していて、武広線は開発区を縦貫しています。高速鉄道を利用して広州まで2時間で移動でき、上海-昆明高速鉄道も2013年に開通予定です。長沙霞凝新港からは湘江を使って船で上海まで2日間、広州まで1日で到達できます。一方、黄花国際空港から北京、上海、広州、香港までそれぞれ2時間で移動できます。バンコク、ソウル、釜山、大阪、クアラルンプール、シンガポールまでの直行便も出ているなど、内陸部にあっても交通の不便さを感じることは少ないでしょう。

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