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インタビュー

北京・天津・唐山デルタで新たな発展目指す

唐山高新技術産業開発区管理委員会副主任の陳徳山氏

中田靖=アジアビジネス本部
2011/11/25 10:00
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北京の東、渤海湾の中心部に位置する唐山市は、4つの開発区をベースにいま急速な開発が進んでいる。中でも曹妃甸工業区と並び、日本企業からの注目を集めているのが唐山高新技術産業開発区だ。中国の多くの開発区が電力、人材、土地不足に悩まされている中、その解決策を示し、既に多くの実績を上げている。溶接産業と自動車部品産業の二大産業を軸に、12次五カ年計画ではどのような発展を目指すのか、唐山高新技術産業開発区の陳徳山副主任に聞いた。(聞き手は中田靖=アジアビジネス本部)

年率30%の成長率を誇る

唐山市には日本にもよく知られた曹妃甸工業区などいくつかの開発区がありますが、唐山高新技術産業開発区はどんな特徴があるのですか。

徐徳山氏
唐山高新技術産業開発区管理委員会副主任の陳徳山氏

 唐山高新技術産業開発区は、1992年に設立された唐山高新技術開発区と唐山経済技術開発区が合併して、2010年11月に国家級の開発区として再スタートしました。31平方キロの土地に12万人が居住しており、既に570社の企業が進出しています。唐山市にはいくつかの開発区がありますが、この開発区は市内中心部に隣接しているので、利便性が高いのも特徴です。

 唐山高新技術産業開発区はGDP自体は小さいですが、発展のスピードは河北省にある47の開発区の中でナンバー1です。GDPの伸びはここ数年、年率30パーセントの勢いです。その原動力となっているのが、溶接産業と自動車部品産業の2つで、中でも溶接産業の規模は中国でナンバー1、アジアでトップ3、世界でもトップ10に入ります。

 実はその成長を引っ張っているのが日系企業なのです。唐山高新技術産業開発区では、日系企業に対する優遇政策を進めた結果、多くの日系企業が進出しました。溶接関連産業園には、溶接機を持つパナソニック、溶接材料のコベルコ、切断機の小池酸素、溶接システムの開元自動溶接装備などが進出しており、溶接関連産業園でサプライチェーンが構築されています。また、自動車部品工業園にはアイシン精機と北京自動車集団が進出しており、こちらもGDPの成長に貢献しています。

 この2つ以外にも、ロボット産業、建設機械産業、計測器産業、バイオ医薬産業の4つを加えた、6つの産業を柱に発展計画を進めています。

日系企業向けに手厚いサービスを提供

開発区の成長をけん引する日系企業向けに手厚いサービスを実施しているということですが、具体的にどのような対応をしているのですか。

 日系企業が進出を決めたら、準備期間の1年間は電話、机、ブロードバンド、エアコンが付いた仮事務所を無償で提供します。会社や事務所設立までの行政諸費用も原則的に免除します。

タイトル

 また、開発区には日系企業をサポートするための「日本処」とうい部署があり、その専任スタッフが様々な問題に対応します。たとえば、部品材料仕入れ先の調査や人材採用、労働契約や就業規則などの社内制度整備に対する支援も行います。工場建設までの手続きや環境評価に対する課題解決などのお手伝いもします。もちろん、税関、運輸会社、会計事務所、外貨管理局、税務署、銀行、保険会社、商検局などの担当者もご紹介します。

 このように事務所の面から、行政手続きの面や実際の仕入れの問題、人材派遣の問題など、特に中小企業では自力で対応できないような様々な問題に対して、日本処を中心に手厚くサポートしています。

 また日本人が海外で暮らす場合に不安な点に、医療機関の問題もあるでしょう。そこで日本人向けには特別のカードを用意しており、そのカードを提示すれば、唐山市で一番大きな病院では日本語が話せる医者が対応できるよう手配しています。こうした細かな点まで常に日本処では対応していきますので、気になる点が出てくれば、どんどん話を持ってきていただいて、一緒に解決していくことが可能です。

 開発区に進出している日系企業とは本当に良好な関係を築いていて、会長や総経理が帰国する際には、必ず送別会を開いて親交を深めています。先日も、ある日系企業の総経理が3カ月ほどの赴任で帰国することになったのですが、そのときも送別会を開きました。このように、我々は進出している日系企業とはどんなに短い期間であっても家族ぐるみのような付き合いをしていきたいと考えています。

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