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インタビュー

「4+4+4」で第12次五カ年計画の成長戦略を描く

寧波市対外貿易経済合作局副局長の剛勇氏

中田 靖=アジアビジネス本部
2011/11/08 16:10
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中国経済の中核を担う長江デルタの南翼、杭州湾をはさんで上海市の南に位置する寧波市は、プラスチック成形を中心とした金型集積、鋳物、アパレルの集積地として知られる。その寧波市がいま発展の真っただ中にある。2008年5月に杭州湾を隔てた上海とを結ぶ「杭州湾海上大橋」の開通により、一気に“上海2時間経済圏”の仲間入りを果たし、「交通の終着点」から「交通の中継点」へと変貌を遂げた。その勢いをかって、2011年からの第12次五カ年計画において「4+4+4」という重点産業分野をターゲットにした成長戦略を描く。その全貌を寧波市対外貿易経済合作局副局長の剛勇氏に聞いた。(聞き手は中田靖=アジアビジネス本部)

5年後の工業総生産は25兆円に

中国では2011年から「第12次五カ年計画」がスタートしました。寧波市ではどのような成長戦略を描いているのですか。

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寧波市対外貿易経済合作局
副局長の剛勇氏

 寧波では「寧波市産業レベルアップ推進行動綱要(2011‐2015)」を策定し、「4+4+4」産業レベルアップをスローガンにした発展計画を立案しました。第12次五カ年計画中、その分野に重点的に投資を行います。

 「4+4+4」産業とは、、化石・自動車及び部品・紡績アパレル・家電などの四大「伝統産業」、環境省エネ・生命健康・海洋ハイテク・設計意匠などの四大「優位産業」、新素材・新エネルギー・新設備・新情報技術などの四大戦略的「新興産業」を指します。これに基づき、第12次五カ年計画期間中に工業総生産を第11次五カ年計画より倍増させ、2兆元(約25兆円)を目指します。伝統産業が1兆元(約12兆5000億円)、優位産業が6000億元(約7兆5000億円)、新興産業が4000億元(約5兆円)の規模を見込んでいます

上海の南、長江デルタの南翼を担う港湾都市の寧波は地理的優位性があります。

 寧波の強みは、港をベースにした伝統的な臨港産業です。寧波港の取扱量は上海港に次ぐものですが、その取扱量は年々増加しており上海港に迫る勢いです。寧波港は上海港と異なり、鉄道が港まで乗り入れることができるのでコンテナ船が鉄道と直結できます。石油、鉄鋼、造船、製紙といった大量の原材料が必要な産業には圧倒的な優位性を持ちます。

 また2008年5月に「杭州湾海上大橋」ができて、上海と車で2時間の距離となり、寧波の物流上のメリットが陸路においても際立つことになりました。こうした強みをさらに伸ばすことで産業レベルアップ計画において、2015年までには臨港産業だけで全市工業生産の40%を占める8000億元(約10兆円)の生産を見込みます。化石産業は鎮海、北仑、大榭三大産業集積地に依存し、環境省エネ規制を強化し、世界規模の競争力を有する化石基地を建設する計画です。

 伝統産業の中でも、自動車産業は2015年までに完成車80万台、エンジン50万台の能力を持つ規模にまで拡大させ、低価格・中級自動車および部品の製造基地、地域的研究開発センターを目指します。これにより自動車及び部品産業が2000億元(約2兆5000億円)に達する見込みです。

 優位産業は第12次五カ年計画の期間中、海洋ハイテック技術・環境省エネ産業・生命健康産業・意匠設計産業なども前進させます。2015年までに、全市戦略的新興産業総生産が6000億元(約7兆5000億円)に達する見込みですが、これは工業総生産の30%以上を占め、増加値が同期工業平均より3ポイント上回る成長産業になるでしょう。

 新素材・電子情報新産業・新エネルギー産業・新設備産業はそれぞれが1000億元(約1兆2500億円)以上に達し、「寧波智造」(寧波の知的生産)の推進力となるはずです。新素材は磁気素材など六大分野に力を入れます。電子情報新産業はソフト産業など三大分野に力を入れます。新エネルギー分野では産業基地を建設し、デジタル制御工作機など八大分野に力を入れます。新設備産業としてはスマート設備と製品研究開発基地を建設していく計画です。

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