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HOMEエレクトロニクス電子デバイス > 複合デバイスとして発展するSiP,「事業成功のカギはテストと多品種少量の設計/生産体制の確立」

複合デバイスとして発展するSiP,「事業成功のカギはテストと多品種少量の設計/生産体制の確立」

イーエイチクリエイト代表取締役 (付記弁理士) 萩本英二氏

  • 安保 秀雄=編集委員
  • 2009/05/19 16:14
  • 1/2ページ

 「SiP(system in package)をさまざまなデバイスを融合させる技術ととらえ,低コストの設計/生産体制を確立すべき。そうすれば特徴ある電子機器を次々と生み出すことができる」。SiPやLSIパッケージに詳しい萩本英二氏(イーエイチクリエイト 代表取締役)は,こう主張する。

萩本英二氏
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 萩本氏はNECでパッケージの開発や半導体工場運営に携わり,現在は付記弁理士(通常の知的財産関連業務のほか権利侵害訴訟も担当できる弁理士)やコンサルタントとして技術者や企業の支援にあたっている。企業の開発現場を支援しているなかで,さまざまなデバイスを複合化しやすいようにSiPの設計/生産体制を整えれば,「これまでにない面白い複合デバイスができて,医療や産業機器,家電,自動車などの分野で利用されるようになる」と見る。

 ただし,このようなSiPはだれもが扱える技術になっているとはいえず,低い製造歩留まりや高いコストに悩んでいるところが少なくない。SiPの現状や技術的課題,必要な設計/生産体制などについて聞いた。(聞き手は安保秀雄=編集委員)


問 SiPは現在,どのようなところに使われていますか。

萩本氏 デジタル・カメラや携帯電話機など,小型の電子機器に搭載されることが多いですね。例えばプロジェクタ内蔵の携帯電話機に組み込むDMD(digital micro mirror device)が注目を集めています。これは米Texas Instruments Inc.などが作っているMEMSとIC(集積回路)の技術を組み合わせたもので,特色のあるSiPの一つといえます。

 SiPは,LSIやMEMSチップ,薄膜コイルなどの素子を組み合わせてシステムやサブシステムを一つのパッケージに入れたものです。複合的な機能を持つのが特徴で,Siインターポーザ,部品内蔵樹脂基板,ベアチップを使うものなどさまざまな形態があります。

複合化で特徴あるデバイスを作る

 複数の論理LSIや異種のメモリをSiPに集積することで小型化することができますし,センサーやコイルなど異種機能のデバイスを組み合わせることによって,アンテナとチップから成るRFIDデバイスや,信号処理機能付き指紋認証デバイス,前述の小型プロジェクタ用DMDなどを作ることができます。医療用バイオ・センサやジャイロ,イメージ・センサと高感度の信号処理回路を組み合わせたりしたSiPを開発している企業もあります。

 SiPを小型化のためのパッケージ技術ととらえる見方もありますが,少し広くとらえた方がよいでしょう。半導体とMEMS,誘電体,抵抗体,磁性体,機構系などを組み合わせれば,これまでにない付加価値の高い製品をどんどん生み出せるはずです(関連記事「『前工程と後工程が手を組んでSiPの開発/量産体制を構築すべき』,日本の半導体メーカーに提言」参照)。

 もちろん,これまでにない機能の複合デバイスとしてのSiPを作っている例は,すでにあります。機器メーカーは,実用化しても特にアナウンスしないのであまり目立ちませんが,SiPをかなり利用するようになってきました。最近は,LSI製造プロセスの微細化と高集積化が困難になってきていることから,ますますSiPが注目を集めています。従来の半導体の微細化トレンドにのった技術とは異なるアプローチを示す「More than Moore」という言葉がありますが,その一つとしてSiPに取り組もうという動きがあります。

 今後,デジタル・カメラや携帯電話機といったデジタル家電のほかに,医療や産業機器,自動車などに用途を広げ,新しい機器の製品化にSiPは貢献していくと考えられます。日本は衰えてきたとはいえ,電子業界と機械業界全体で見れば,他の国に比べて幅広い高度な技術力がまだまだ揃っているので,SiPのような複合デバイスは得意なはずです。

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