第1部<新市場創出へ>
走行記録に付加価値あり
動き始めるクルマの情報化

商用車を中心にドライブ・レコーダの搭載が進んでいる。その走行記録には高い価値が秘められているためだ。1900万台の商用車に採用されれば,車載電子部品の新たな市場が立ち上がることになる。このブームが乗用車市場にも飛び火すれば,その波及効果は計り知れない。まずドライブ・レコーダがカメラを使った車線検知システムなどと融合する。さらに,通信機能が付加されれば,クルマを動くセンサとして活用するプローブ・カー・システムに発展する可能性がある。

第2部<普及へのシナリオ>
商用車から乗用車へ
目指すは標準搭載

ドライブ・レコーダは高性能な車載部品をのみ込み,さらに進化を続ける。カメラ,映像符号化回路,記録装置,加速度センサを組み合わせただけの第1世代品から一般ユーザーの利用も視野に入れ,映像品質を上げるなどして使い勝手を高めた第2世代品への移行が進む。その次に登場するのが,あらゆる自動車への標準搭載を目指す第3世代品である。そのための絶対条件は,コスト低減と信頼性の確保だ。このうちコストは,他の車載機器との連携でシステム全体の部品コストを引き下げる。信頼性については,大事故の際にも確実に作動するように堅牢性を高めることが必要だ。