第1部<危機を救う>
LSIは平面から立体へ
チップを貫く伝送路で実現

「LSIは平らなもの」。 そんな常識はやがて通用しなくなるかもしれない。チップを貫く伝送路を実現するSi貫通電極や無線通信技術が登場したからだ。複数のチップ間を最短距離で高速に結べるようになる。これらの技術はまずはSiPやメモリの省スペース用途から実用が始まる。次に高速動作が求められるLSIに配線遅延の短縮を目的に採用されやがてほとんどのLSIに影響を与えるようになる。

第2部<量産への道>
コスト削減と微細化で
研究から実用へ飛躍

次世代のチップ間接続技術が実用に向かって進み始めた。幾つかある候補の中で,半導体メーカーはSi貫通電極に注力する。実用に向けた最も大きな課題は,製造コストの削減である。研究段階で確立したプロセスの応用では不十分。異分野からのアイデアが続々と持ち込まれている。コスト削減がかなってSi貫通電極が広く普及した先には,微細化が焦点になる。LSI内の配線と同等のSi貫通電極を作ることができるようになれば,これまでのLSIの設計や製造の在り方が劇的に変わる可能性がある。