日米欧の3極に加えて、中国をはじめとする新興国での自動車需要の伸びに対応するため、部品メーカーの海外進出に弾みがついている。日本自動車部品工業会の「海外事業慨要調査報告書」2004年11月版によれば、2003年における海外生産社数は1323社に上っており、2002年に比べて86社増えた。
進出のピークだった1989年の120社以上に及ばないものの、ここ数年は毎年進出社数が前年を上回っている。2003年に進出企業が最も多かった地域は中国でその数は44社だったが、日系自動車メーカーの生産拡大が続いている米国、タイでもそれぞれ11社と9社増加している。進出企業のうち、黒字となっている企業の比率も上がっている。自動車部品工業会が520社を調査対象として調べた結果、2003年度の黒字企業は71%と、前年の69%を2%上回った。また、累積黒字企業も55%から62%に増えている。
しかし、それでも全体で38%もの企業が累積赤字を抱えている。特に立ち上げ時は設備投資の償却負担が重く、操業開始に伴う品質不良なども発生する。前出の調査によると1991~2000年に進出した企業は、70%が累積黒字を達成しているが、2001年以降の進出企業では29%にとどまっている。
図●北米での生産台数の実績と予測
日本車の生産は確実に増えており、今後も伸びが予想される。
部品メーカー海外進出の明暗
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