日経オートモーティブ イベントレポート

The 61st International Motor Show (IAA) Cars in Frankfurt
スポーティさ競う表舞台
裏ではハイブリッド開発本格化

2005年9月開催の「第61回フランクフルト・モーターショー」(図)では、オープンカーとスタイリッシュなクーペが脚光を浴びたが、技術的に注目されたのはドイツの完成車メーカーや部品メーカーからハイブリッド技術が出そろったこと。東京モーターショーのプレビューと併せて、最新車種と技術をレポートする。

 パリ・モーターショーと交互に隔年開催であるフランクフルト・モーターショーが開催された。欧州主要メーカーはこのショーに合わせて新型車や新技術を初公開するため、会場は熱気に満ちていた。
 特に今年は、DaimlerChrysler社の新型「Sクラス」、ドイツBMW社の「3シリーズ ツーリング」、ドイツAudi社のSUV「Q7」、ドイツVolkswagen(VW)社のオープンカー「EOS」、フランスRenault社のコンパクトカー「Clio III」など、注目すべき新型車が目白押し。
 さらに、格納式ハードトップを持つ4ドアセダンが複数発表されたほか、4ドアセダンながらクーペ状のボディデザインを持つコンセプトカーなどスタイリッシュな4ドア車が多数登場した。
 表舞台では、こうした華やかな展示に注目が集まったが、もう一方の見所はドイツ車メーカーや主要部品メーカーからハイブリッド技術に関する発表が多数あったこと。米国市場ではガソリン価格の高騰などからハイブリッド車の投入が不可欠という状況になっており、各社が2007年および2008年の導入に向けて技術開発を加速させている様子がうかがえた。以前は、コンセプトだけの展示が多かったが、今回は部品メーカーも要素技術を展示し、完成車メーカーと部品メーカーの結び付きが明らかになったのも特徴だ。
 一方、日本メーカーは欧州市場を意識した車種を前面に出した展示。ワイドかつローフォルムのデザインを持つ5ドアハッチバックとして、ホンダが「Civic」5ドア、三菱自動車がコンセプトカー「Sportback」を出展。トヨタ自動車は新型「RAV4」を初公開、日産自動車もオープンカー「Micra C+C」を発表した。このほか、マツダ、ダイハツ工業、スズキ自動車、富士重工業も新型車やコンセプトカーを展示した。 

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図●フランクフルトモーターショー会場
9月17日からが一般公開日。写真は会場となったメッセフランクフルトのDaimlerChrysler社ブース。