ほんの2年~3年前までは「本当に10Wh/kg以上の大容量化が可能なのか」と,機器メーカーから見られてきたキャパシタ。ところが,ここにきて,パワーシステムや富士重工業,日本ケミコンなどから現状の2倍~4倍となる20Wh/kg以上のエネルギー密度を実現できそうな新型キャパシタの発表が相次いでいる。

 これまで5Wh/kg~10Wh/kgだったエネルギー密度を20Wh/kgまで引き上げることができれば,ハイブリッド車など急成長している自動車用途での実用化が可能となる。さらに,自動車向けに大量生産を始めることで低コスト化が進み,エネルギー分野といった新たな市場が開けそうだ。

 だが,のんびりと自動車市場が立ち上がるのを待ってはいられない。キャパシタ・メーカーは自動車分野やエネルギー分野などの市場に参入するために,まずは民生機器向けキャパシタの量産を早急に開始する必要に迫られている。民生機器での採用を足掛かりに,より大きな市場である自動車,そしてエネルギー分野へと乗り込むシナリオだ。