車載ネットワーク入門・第2回 |
CANで進む標準化 |
クルマの電子化で、多くのECUが連携してつながるようになった。ここで必要になったのが車載ネットワークである。各社で独自のネットワーク規格を採用する流れもあったが、現在の主流はCANである。 |
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン |
マイクロプロセッサの進化
クルマには、エンジン制御用やウインドー制御用など、様々なECU(Electronic Control Unit)が組み込まれている。ECU同士はネットワーク上で、相互に通信しながらシステムとして成り立っていることを前回紹介した。
ECUの心臓部となるのが、マイクロプロセッサである。マイクロプロセッサの進化がECUの進化ともいえる。
世界で最初のマイクロプロセッサは、1971年に米Intel社が開発した4ビットの「4004」である。当時の電卓に使用するために開発されたものだ。
その後1974年に8ビットの「8080」(Intel製)、「6800」(米Motorola製)が登場、1978~79年には16ビットの「8086」(Intel)、「68000」(Motorola)、1985年には32ビットの「68020」(Motorola)と進化してきた。
ビット数の高まりとともに動作周波数も向上してきた。現在、コンシューマ向けPCで使われているマイクロプロセッサでは3.8GHzにまで高まっている。自動車向けのマイクロプロセッサの最大動作周波数は、現在132MHzである。
自動車メーカーは半導体製造プロセスとして最新のプロセスの一世代前のプロセス品を採用する傾向がある。自動車が一世代前のマイクロプロセッサを採用する主な理由は、製造技術に十分な実績があり、動作が安定しているためだ。
図●クルマの電子化で伸びる配線
(a)1987年型セダンのハーネスは450m。(b)1988年型セダンは電子制御燃料噴射装置とパワーウインドーがついて、ハーネスは1240m。
出典:JAF MATE 1998年10月号