日経オートモーティブ イベントレポート

人とくるまのテクノロジー展2005
ハイブリッド車が盛況
LEDの新しい活用法も

自動車技術会の春季大会に併せて2005年5月に開催した「人とくるまのテクノロジー展2005」。前回と比べて注目を集めたのが、ハイブリッド車や電気自動車関連の展示だ。ハイブリッド車で独走するトヨタ自動車に続けとばかりに、部品メーカーはモータやモータのシャフトロータ、ワイヤハーネス、磁石などを披露した。

 「人とくるまのテクノロジー展2005」の目玉は、ハイブリッド関連の部品である(図)。
 会場では、鍛造製から鋳鉄製にしたことで部品点数を抑えた「ハリアーハイブリッド」用シャフトロータや、不具合が生じたときにハイブリッドシステムを切り離しガソリンのみの走行を可能とするシステム、12Vに降圧するDC-DCコンバータ、高温でも保磁力を持つ磁石などがあった。一方、完成車メーカーではハイブリッド車としてトヨタ自動車が「ハリアーハイブリッド」、電気自動車として富士重工業が「R1e」、三菱自動車が「コルトEV」をそれぞれ出展した。
 このほか、小型化や軽量化を図った部品も多数出展された。住友スリーエムのフラット成形したワイヤハーネス、デンソーの小型化した点火プラグ、日本精工のトロイダルCVTなどが注目を集めた。
 その一方で、LEDを活用した新しいシステムの展示も目立った。車載ランプの国内大手3社は、白色LEDを使用したヘッドランプの試作品を出展した。
 ヘッドランプ以外のLEDの用途として、スタンレー電気はナイトビジョン用ランプ、豊田合成は車載ネットワークシステムを出展した。LEDは、車内灯やリアランプとして普及が進んでいるが、今後は照明以外の用途でも普及が期待されている。
 トヨタ自動車が2005年3月に北米で発売した高級車「Lexus GS」(旧日本車名:アリスト)に関する出展もあった。トヨタ紡織は、運転席のシートを前後に移動するとヘッドレストが自動的に上下するシステムを紹介した。小糸製作所は、Lexus GSで採用になった業界最小のヘッドランプクリーナを披露した。ヘッドランプに組み込めるサイズに抑えた。いずれも2005年8月に発売する国内モデルでも採用する。

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図●「人とくるまのテクノロジー展2005」
環境負荷の少ないハイブリッドカーや電気自動車に注目が集まった。