日経オートモーティブ 新車レポート

HONDA Airwave
ワゴンの価値を高めて
若者を振り向かせる

ミニバンのように大勢乗れるわけでもない。
コンパクトカーのような取り回しの良さもない。
1990年代初めには人気があった
ステーションワゴンだが、
現在ではすっかり過去のものというイメージがある。
そうした市場へ、あえて
「エアウェイブ」(図)を投入したホンダ。
ワゴンという形式を採りつつも、
若いユーザーを取り込むために
デザイン、開放感、ユーティリティ性を高めて
ワゴンの新しいメリットを追求した。


 ホンダが2005年4月8日に発売した「エアウェイブ」は、コンパクトカーの「フィット」をベースとしたステーションワゴンだ。国内市場は現在コンパクトカーとミニバンが主流で、ワゴンというジャンルは下火のようにみえる。同社が新型車としてワゴンを出す狙いは何だったのか。
 「企画の出発点には幾つかの要素があった。開発の初期段階では、セダン『フィットアリア』のワゴン版という発想があった。アリアに荷室を付けて、実用性をさらに向上させようという視点で検討した」(エアウェイブの商品開発責任者で、本田技術研究所主任研究員の川勝幹人氏)。ただしそれだけでは、顧客の関心を引くようなデザインや、荷室が広いという以上の価値が出てこない。一方で、ホンダの車種ラインアップの中でコンパクトワゴンが必要という事情もあった。単なる「アリアのワゴン」から一歩踏み出し、より高い付加価値を盛り込めないかという模索が始まった。

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図●ホンダの新型ワゴン「エアウェイブ」
価格は149万9400円から。開口部の大きいガラスルーフの「スカイルーフ」を備える。10・15モード燃費は前輪駆動車で18km/L。