日経ものづくり アイデアコーナー

掃除機のフィルタの自動除じん機構
・・・日立ホーム&ライフソリューション

フィルタ端面をらせん状ワイヤがはじく

 日立ホーム&ライフソリューションが発売した遠心分離方式(サイクロン方式)の掃除機「たつまきサイクロン」の「CV-SJ」シリーズ。このシリーズに同社はサイクロン方式では取り切れなかった小さなゴミ(粉じん)をこし取るフィルタを自動的に再生する機構(自動除じん機構)「ブルッとリフレッシャー」を搭載した(図)。
 掃除機を使うために電源コードを引っぱり出すと,ギアを介してらせん状のワイヤが回転する。ポイントは,このワイヤの各“山”が,ひだ状に折ったフィルタの端面をはじいて振動させること。これにより,フィルタに付着した小さな粉じんをふるい落とし,ゴミを収納するケースに集める。

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図●自動除じん機構「ブルッとリフレッシャー」を搭載したサイクロン方式の掃除機


食品容器のフタ
・・・産業技術総合研究所,凸版印刷

半円形状の開口部で接着面を効率的にはがす

 ヨーグルトやゼリーなどの容器としてよく見掛けるのが,プラスチック製の容器にフィルムのフタを接着したタイプ。フタのタブ部分を指先でつまみ,引っ張って接着面を引きはがすことで容器を開ける。
 ところが,指先がぬれた状態などでは十分な力を加えられず滑ってしまい,開けるのに苦労した経験がある方も多いのではないだろうか。フィルムと容器の接着力が強い場合には,握力が弱い子供や高齢者などにとっては開けにくくなってしまう。
 そこで,産業技術総合研究所・デジタルヒューマン研究センターと凸版印刷は共同で,密封性を維持しつつも開封しやすい食品容器を試作した。ユニバーサルデザインを考慮したパッケージについて研究した成果の一つである。デジタルヒューマン研究センターが「どのように持てばよいのか」といった人の特性について検討し,その結果を基に凸版印刷が具体的な食品容器の試作品を作製した。

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図●試作した食品容器
開口部を半円形状とし,左右両側から開けられるようにタブを配置した(a)。開ける際には容器を片手で持ち,残りの手の指先でタブを保持。手前に引き付けるようにして開けていく(b)。