日経ものづくり 詳報

擦ってもたたいても使えるチタン
電中研,表面を硬化させる技術を開発

緑までの可視光に反応する光触媒としても有効

 電力中央研究所(電中研)は,表面を硬化させることによって,擦ってもたたいても使える特性をチタンに与えることに成功し,「フレッシュグリーン」の商品名で売り込みを始めた。
 チタンは比強度が高いこと,生体に対する毒性がないことから多くの用途がある。しかし,軟らかいために傷付きやすい。ビッカース硬さは純チタンがHV100強,強度材料として使うことの多いTi-6Al-4V合金でもHV 400に満たない。また,活性であること,熱伝導率が低いことが原因となって,すぐに焼き付いたり,かじったりすることも問題だ。航空機で使うことの多いチタン製ボルトでは,動力工具ではもちろん,手で回すレンチで締めても焼き付くことがあった。強いのだが,使いにくい材料でもあった。

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図●「人とくるまのテクノロジー展」では2輪車のマフラーに皮膜を付けて展示した
ドライバーで引っかいても,紙ヤスリで擦っても,傷は付かない。