米MicrosoftCorp.とソニー・コンピュータエンタテインメントが満を持して発表した次世代ゲーム機。圧倒的なグラフィックス描画性能を武器に家庭への浸透を果たした後に, 周りのAV機器を巻き込みながら進化を始めることをもくろむ。目指すは現行機で果たせなかった家庭のエンターテインメント環境の要の座だ。

第1部
現行機の夢を引き継ぎ
AV機器を今度こそ超える

家庭用ゲーム機市場に,約5年ぶりの変化が訪れる。現行機で家庭のエンターテインメント環境の変革を目指したソニー・コンピュータエンタテインメントと米Microsoft Corp.が次世代機の投入で前回果たせなかった目標に再び挑戦する。カギを握るのはスタンドアロンのAV機器では実現できない付加価値の創出。ネットワークでつないだ機器を利用した機能分散が成否を分けそうだ。

第2部
次世代ゲーム機をめぐる
6個の素朴な疑問

マルチコア構成のマイクロプロセサ,次世代光ディスク,GビットEthernet…。「Xbox 360」と「プレイステーション 3」には,数々の先端技術が盛り込まれる。いずれも,デジタル民生機器への普及が3年後,4年後となるであろう,時代の流れを先取りした技術である。デジタル民生機器を今後開発する上で,絶好の先行例となりそうだ。次世代ゲーム機に盛り込まれた技術への数々の疑問を解き明かしていくと,これらの技術を搭載する上で設計現場が直面する共通の課題が,くっきりと浮かび上がってくる。