指先に載るほどに小さいメモリ・カードがここにきて次々と登場している。他社に先駆けたのは米SanDisk Corp.。2004年3月に寸法が15mm×11mm×1mmの「TransFlash」を発表した。2005年に入って韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.は14mm×12mm×1mmの「MMCmicro」の量産を始めた。同年3月に開催した「CeBIT 2005」では台湾PRETEC Electronics Corp.が17mm×12mm×1mmの「C-Flash」を発表した。

 これらが目指すのは,携帯電話機向けメモリ・カードの標準の座を獲得することだ。既存の携帯電話機向けメモリ・カードを次第に置き換え,いずれはほとんどの携帯電話機に搭載される可能性がある。それだけではない。これらの超小型メモリ・カードは,これまでのメモリ・カードと異なる利用形態を生み出す。頻繁に抜き挿しするリムーバブル媒体ではなく,ほとんど挿し替えない「半組み込み」の記録媒体として使われそうだ。携帯電話機でこうした使い方が広がれば,デジタル・カメラなどでも同様な利用法が普通になるかもしれない。いずれは機器が内蔵するメモリの代わりに,超小型メモリ・カードを利用することもあり得る。