日経ものづくり アイデアコーナー

TOTO編(1) 小型吐水切り替え装置

水漏れを防ぎながら流出口と吸気口を兼用

 水栓金具の流出口でシャワーと微細な空気の混ざった水流を切り替える機構を小型化。さらに,水と空気の粘性の違いを利用して,水漏れの発生を抑えた。
 TOTOのキッチン用の水栓金具の一部は,微細な空気の泡を混ぜて水流をソフトにする「泡沫吐水」と「シャワー吐水」とを切り替える機構を内蔵している。加えて,金具の先端部分を引き出して使う「ハンドシャワー」の機能も備える。
 従来品は,シャワーの流出口と,泡沫吐水の流路を完全に切り替えていたため,蛇口の部分のサイズが大きくなりデザインを決める上での制約となっていた。
 しかし,高まる顧客のデザイン志向に対応するには,意匠性に優れた水栓を開発しなくてはならない。そのため,デザインの邪魔にならない小型の切り替え機構の開発を迫られた。そこで,シャワーの流出口と泡沫吐水の空気吸入口を兼用させ小型化を図った。

日経ものづくり アイデアコーナー1
●切り替え機構付き水栓金具
泡沫吐水(a)とシャワー吐水(b)がレバー一つで切り替えられる水栓金具。先端部分を引き出して「ハンドシャワー」として使うことも可能(c)。切り替え機構を小型化したことで,デザインの自由度が高まった。